築56年、一人暮らしのおばあちゃんを悩ませる「隣家のお風呂に入る家」を劇的に大改造する。
今回の依頼は岐阜県高山市のO家。豊かな自然と昔ながらの江戸情緒あふれる飛騨高山に建つ、築56年の木造住宅。依頼者は26年前から、この家に一人で暮らしている。エアロビで汗を流し、体操教室を二つも掛け持つなど、パワフルで元気な依頼者だが、古い家の中は危険が一杯。中でも、傾斜58度の急階段は上がるのも一苦労。一階に物干し場がないため、毎日、洗濯物を手にはしごのような急階段を上がり、高さ45㎝のテレビ台を踏み台にして、窓の外の物干し場へ出る。出入りする横に柵は無く、落下の危険といつも隣り合わせ。物干し台も、手すりは錆び、床板も一部が外れてガタガタ。いつ崩壊してもおかしくない。そんな中でも、この家の一番の悩みは、風呂がないこと。依頼者は毎晩、洗面用具を手に外へ。銭湯に行くのかと思いきや、なんと向かうのは隣の家。実は、空き家になっている隣家のご厚意で風呂を借りているのだ。お隣とはいえ、冬場の気温は氷点下になる寒冷地。冷たい夜の外気にあたるとすぐ湯冷めしてしまう。
さらに、息子夫婦と孫家族が遊びにやってきた時にもある問題が。建坪14坪と、一人暮らしには十分な広さながら、台所はわずか二畳。人が立てるスペースは半畳しかなく、孫たちと料理をしたくてもすし詰め状態。狭く、風呂もないこの家に、みんなで泊まることもままならず、依頼者以外は近くに宿を予約し泊まっているという。依頼者は、心配する孫娘たちの勧めもあってリフォームを決断。孫娘たちがひ孫を連れて遊びに来た時、気兼ねなく泊まっていってもらえるのはもちろん、将来、息子夫婦が同居できる家を希望している。
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~リフォームの匠~
西 久樹
株式会社 西建築設計事務所/一級建築士
(株)つづく
岐阜県高山市