さだまさしが所有する島「借金で潮漬けされた島」を劇的に大改造する。
今回の依頼は、「関白宣言」をはじめ、数々のヒット曲で知られる歌手のさだまさし。長崎県の大村湾に浮かぶ、さだが個人で所有する島のリフォームだ。周囲が500mほどのひょうたん型の小さな島で、もともとは「寺島」と呼ばれていた無人島だったが、38年前、ロビンソン・クルーソーに憧れたさだが26歳で購入。「寺島」の「寺」に「ごんべん」を足して「詩島(うたじま)」と名前を変えた。
29歳の時には、建物が建ち揃い、施設の整備を済ませたものの、同じ頃、さだは自己資金を投じ、中国を舞台にしたドキュメンタリー映画「長江」を製作。自ら監督・主演したその映画の製作費が膨らみ、金利などを含め35億円もの借金を背負うことになった。その後、借金は30年かけ、前人未到の4000回にも及ぶコンサートを開くなどして、ようやく5年前に完済した。しかし、肝心の島はおよそ30年間放ったらかしのまま、島中あちこちの傷みが激しくなっていた。
例えば、入口の階段を上がった、島の西側にある、母屋のログハウス。わざわざ北欧フィンランドから丸太を取り寄せて、丸太で組んだデッキの手すりは、すっかり腐ってぼろぼろ。また、海を一望できるよう、急な崖からせり出すように作られていた母屋の裏の展望デッキは、床板はおろか、鉄骨の骨組みまで朽ち果てて見る影もない。しかもそれを支える鉄筋コンクリートの基礎も崩落寸前。崖を覆う地面が崩れ落ち、あろうことか展望デッキの基礎が宙に浮いているのだ。
故郷に島を買って38年。中断していた夢の続きとなる島全体のリフォームに取り組みたいと、さだ自ら番組に応募してきた。
そんなさだの切なる願いを叶えるため、立ち上がったのは、島と言えばこの人、リフォームの匠・松永務。これまで東京・八丈島の家(「窓を開けてはならない家」2012年7月22日OA)をはじめ、芸人・小島よしおの実家、そして、日本最南端の有人島、波照間島でも大改造を果たした。果たして匠は、難問山積みの島をどう蘇らせるのか?
※「詩島」は個人所有の島で、一般の方の立ち入りは禁じられています。また、宿泊などの受付は行っておりません。
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~森の木の代弁者~
松永 務
アトリエMアーキテクツ 代表 / 一級建築士
自然素材を駆使して、木の温もりに包まれた心地よい家づくりを目指す。大胆さを持ちながらも落ち着いた風情を生み出し、独自の発想力を活かした店舗のリフォームにも定評がある。
石橋工務店 / 西山工業
長崎県諫早市