2013年1月20日放送
お風呂が後回しになった家
■1階の元店舗には亡き父が作った大量の木工細工が所狭しと並んでいる
■元店舗だった部分の半分は、建築資材や工具置き場になっている
■暗かった台所に天窓を作ろうとした途中で、天井裏が丸見えのままになっている
■天井裏が剥き出しの台所は、断熱材が入っていないため冬はとても寒い
■母の寝室は扉の建て付けが悪く開閉しづらい
■土間の床板は、支えている柱がとても細く、強度がないのでとても危険
■階段は60度の急傾斜で上り下りが危険
■急な階段を上がった先には箪笥が置いてあり、上り口が塞がれてしまって狭くなっている
■手すりもグラグラで、掴んで上がるには危険
■建具は隙間だらけで、冬場は冷たい風が入り込んできてとても寒い
■母屋に継ぎ足されたトイレは、古いままで10年以上使っていない
■お風呂に行く途中には、亡き父の道具が放置された作業部屋が残っている
■お風呂は錆び付いたトタンで囲まれ、洗い場は腐って抜け落ちそう
■お風呂のボイラーの煙突は室内にむき出しで、排気が室内に漏れないか不安
動線のアスリート
並木秀浩
家のリフォームを考えなきゃいけないところがあるが、お父さんの思い出がものすごく詰まったお宅なので、お父さんの手が回らなかった部分を受け継いで作らなければならない。そしてお母さんが日々を楽しく過ごせる家にしてあげたいと思う。
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使いやすい玄関
かつて店舗だった場所は、帰省してくる息子の希望を叶え車2台が駐車できる広々としたガレージに。ガレージの奥には扉が設けられ、車を降りたら玄関まで大回りすることなく家の中へ入れるのです。
新しい玄関扉は、かつての居間の欄間を再利用しました。引き戸で難なく開閉でき、扉を開けた向こうには広々とした玄関があり、段差がなく母が歩きやすいように作られています。
玄関にはもちろん大容量の靴箱が設けられました。その足元の三和土に埋められた丸太は、かつての玄関に埋められていた亡き父こだわりのものでした。それをキレイに取り出して、四角く加工し再利用したのです。
父の思い出が残る家
今まで使いどころがなかった亡き父が残した物もリフォームに活用しました。可愛らしい木工細工の洋服掛けやスリッパたてなど、眠っていた作品がようやく日の目を見ました。
明るいダイニングの壁面にたくさんの小物が置かれている棚が、ここは父のギャラリー。趣味だった写真や木工細工が飾られていて、これを見れば楽しい思い出がいつでも甦ってきます。
ダイニングテーブルの天板も父自慢の作品。かつて暗室の扉だったものを天板に再利用。「匠」も感心する出来映えの彫刻は父の手作りです。父の力作が毎日見えるところに甦りました。
2階にも父のコレクションが飾られています。壁際の棚にたくさんのカメラが専用のケースに入れられて収まりました。
機能満載なアイランドキッチン
「匠」オリジナルのこのキッチンは、カウンター下に収納があり、作業スペースも広々としたとても使い勝手の良いもの。天板は父が残した材料を加工したもので、椅子は父のお手製のものなのです。
母待望の食洗機も設けられていてキッチン下の収納力も十分。IHコンロの脇にも戸棚が設けられて、調理器具などが吊り下げて仕舞っておける優れものなのです。
キッチンの背後は、建具を開くと壁一面に作業台も兼ねた大容量の壁面収納が設けられました。たくさんの食器や電子レンジなどが仕舞っておけるので、キッチンが広々と使えるのです。
カウンターの食卓だけでなく、ダイニングテーブルもあるので人数が増えても問題ありません。みんなで食卓を囲めば賑やかに食事のひと時を過ごせるでしょう。
母が楽しめる中庭
父が残した黒竹をあしらい、ベンチを設けた風情ある東屋。天気の良い日は暖かい日差しが差し込むこの場所で、庭の風景を眺めながらくつろげます。
中庭の片隅には四季を彩る植栽コーナーが生まれました。季節ごとに変わる中庭の風景を楽しんだり、母が望んでいた家庭菜園も楽しむことができるのです。
デッキと植栽コーナーの間には、水はけの良い舗装材が敷かれました。ここでは母の趣味のグランドゴルフの練習ができるのです。これからは殺風景だった中庭を、楽しみの空間として活用することができるでしょう。
安全で暖かい水回り
トイレは2つ設置され、そのひとつは普段生活する場所であるLDKの近くに設置し、行きやすくしました。トイレの中には手すりも設けられ、母が安心して使えます。
トイレを出て左側には、洗面脱衣所がこの家に初めて誕生しました。十分な広さが確保され、洗濯機置もここに置けるようになりました。反対側にも扉があるので寝室側の廊下からも行き来できるようになっています。
洗面脱衣所のすぐ隣には、日当たりの良いデッキが設けられて洗濯物がすぐに干せる機能的な動線になりました。物干し台は母の身長でも楽に扱えるように設計され、さらに取り外し自在なパイプが設けられ、布団などの大きな洗濯物も簡単に干せるのです。
ずっと不便だった作業場の隅にあったお風呂は、場所を変えて待望の明るく清潔なお風呂に生まれ変わりました。広々とした浴室に大きな湯船でゆったりくつろげます。浴室内にはシャワーや手すりが設けられているので、不便な思いをすることはもうありません。
明るく暮らしやすい生活空間
以前は作業場だったところに作られた和室は、中庭に面しているので明るい日差しが差し込み、天井高を生かして広々とした居心地の良い空間に。母の気がかりだった、玄関脇にあった仏壇はこの部屋に置かれました。
母の寝室には、雪見障子が再利用されていて、ガラスの向こう側に明るい庭が見えるので、ベッドに寝ていても風景が楽しめるようになっています。
さらに寝室には大容量の収納が設けられました。奥に続く扉の向こう側には2つ目のトイレが設けられ、ここからすぐに行けるようになっています。階段近くにあるので2階からも行きやすい場所です。
急傾斜で危険だった階段は、向きを変え、踏み板が広くなり、手すりも付いたので安全で上がりやすく生まれ変わりました。かつてのように上り口で箪笥に邪魔されることもありません。
2階にもくつろげる空間を
たまに帰ってくる息子のためのくつろぎの空間は、片方を洋室、もう片方を布団で寝たいという息子の希望を叶えて落ち着いた和室に仕上げました。
2階の洋室に設けられた堀座卓の天板は、かつて玄関に隣接していた居間へ出入りするところに使われていた、桂の一枚板の式台を再利用しました。壁には父の残した板で組み上げた収納棚が作りつけられています。
かつて暗室として使っていた小部屋は、建具を再利用して息子の荷物を仕舞うためのウォークインクローゼットに。洋服以外にもスーツケースなど大きな荷物が片付けておけます。
群馬県高崎市
(株)廣神建設
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