八塚彩美のお茶日記♪
八塚彩美
茶道の稽古に通い始めてまもなく二年。
今回は、私、八塚彩美のお茶日記をお届けします!
稽古での楽しみのひとつはやっぱりお菓子。
季節に合わせた和菓子を頂きます。
お花や掛け軸も毎回勉強です。
一月は結柳(むすびやなぎ)。
旧年と新年をつなぐ意味、旅立った人が無事に帰ってくることを願う意味など、
人それぞれの心に響く解釈ができます。
私はこの柳のように、一年しなやかな心で過ごしたいと感じました。
薄茶(うすちゃ)、濃茶(こいちゃ)、炭のお手前など基礎の稽古を積み重ね、
茶事(ちゃじ)をすることを目標としています。
「薄茶」は一般的にカフェなどでも気軽に楽しめる、
あの抹茶を指します。
「濃茶」は文字通り、薄茶よりも濃い抹茶です。
「茶事」とは、炭手前、懐石、濃茶、薄茶でおもてなしをすることです。
そう、お茶にはご飯が付きもの!
日常茶飯事と言われるように、常にお茶とお料理はセットなのです。
おいしいお料理を頂いた後に甘いお菓子、お茶と続くフルコースなんです。
しかし、お菓子に合うからお茶を頂くのではありません。
あくまでも、お茶を頂くことが茶事のメインイベントです。
昨年12月には、一緒にお稽古へ通っている
落語家の桂吉弥さんと、二人で茶事の亭主を務めました。
企画・演出:林宗由(そうゆ)先生、という大きな船に乗せて頂き、
“もてなす”役割を体験したのです。
“河豚(ふぐ)鍋”という落語に因み、メインはふぐ鍋!
落語のストーリーが目の前で展開され、とても盛り上がりました。
私は濃茶を担当。
稽古でもお世話になっている、料亭「かが万」さんの演出にかかれば、
二年目の私も立派な茶人に見えてきます!?笑
お料理・お菓子はもちろん、掛け軸にお花、お道具の取り合わせや
ストーリーの構成も考えなければなりません。
お茶事はまさに総合演出です。
その演出の一つ一つに気付き、有り難く感じられるかどうかも大事なポイント。
もてなす側だけではなく、もてなされる側も良い客でなければ、
思い出に残る茶事にはならないのだそうです。
今回は、落語家の桂二乗さん、三味線の浅野美希さん、
おはよう朝日土曜日ですリポーターのジェイスくん、後輩の小西陸斗アナが
お客さまになってくれました。
お客さまのお手本をしてくださったのは、茶道教室の先輩・木戸智子さんです。
長時間お付き合いくださり、本当にありがとうございました。
亭主を務めてみて、大切な人たちが自分のお茶で喜んでくれることが
こんなにも嬉しいのだと初めて知りました。
茶道の稽古は、生活文化を学ぶこと。
作品は残らないので、目に見える成長はありませんが、自分の心が変わっていきます。
四季の移ろいを楽しみながら“まあるい気持ち”で
日々を過ごせるようになりました。
これから暑い季節がやってきます。
涼やかな演出のある、夏の茶事もステキなんですよ。
次回のお茶日記もお楽しみに。