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第3話「偽装詐欺」 おさらい

貧乏絵師の平吉は、妻・お静のために
浮世絵の版元・鶴屋忠左衛門の下で働き始める。
だが、鶴屋には裏の顔があった……

脚本:前川洋一  監督:原田徹

江戸の街で絵師の男が殺され、持ち物から枕絵が見つかった。事件そっちのけで絵の出来栄えに感心する見廻り同心渡辺小五郎(東山紀之)。一方、経師屋涼次(松岡昌宏)はなぜか、珍しく羽振りの良い毎日を送っている様子だ。

その頃、花御殿のお菊(和久井映見)は、知り合いのお静(清水美沙)のことで、中村主水(藤田まこと)に相談に来ていた。お静の夫・平吉(吹越満)は伊能派の腕の良い絵師だったが、型にはめられるのを嫌って伊能派を辞めて以来、酒を飲んではお静に暴力をふるっていたのだ。


だが、お静が体を壊したのを目の当たりにし、平吉は真面目に働くことを決意。浮世絵の版元・鶴屋忠左衛門(西田健)の元で働き始めた。鶴屋と言えば、今、江戸で流行りの正体不明の絵師・酒楽による役者絵を売り出して大儲けしている版元だ。

一方、南町奉行所では、吟味方与力桐野半兵衛(谷口高史)直々の命令で枕絵の取り締まりが決まり、鶴屋も調べることに。小五郎は、自分の好きな役者絵にまつわる仕事とあって、めずらしく進んで役目を買って出たが、鶴屋に怪しい様子はなかった。

鶴屋の職で暮らし向きの良くなった平吉だが、描きたい絵が描けずに息苦しさを感じるようになっていた。それを察したお静の励ましに後押しされて鶴屋を辞めた平吉だったが、その直後に殺されてしまう。死体の傍らには枕絵が……

同じ頃、春屋という貸本屋が枕絵を扱っているという密告があり、奉行所の手入れが入る。覚えがないと訴える春屋だったが、桐野の指示による厳しい拷問の末、以前殺された絵師と平吉の2人に枕絵を描かせていたと認めさせられ、2人の殺害も自白してしまう。

しかし、春屋で枕絵を描いて小遣い稼ぎをしていた涼次は、小五郎に対し、平吉が枕絵を描くような男ではないと断言。平吉は偽酒楽として絵を描かされた後、殺されて枕絵作者の濡れ衣を着せられたのだと推測する。鶴屋は、与力の桐野と手を組み、酒楽が死んだ後も偽の酒楽を立てて大儲けしていたのだ。

そんな矢先、お静は、平吉が枕絵を描いていなかったと証言するように鶴屋に訴えるが、逆に鶴屋の用心棒・佐久間(稲健二)によって殺されてしまう。平吉とお静の無念を晴らすべく、仕事が始まった。主水は佐久間を、源太(大倉忠義)は鶴屋の番頭・吾介(本城丸裕)を仕留めた。涼次は新しい絵師を装って鶴屋を訪れると、鶴屋の首に錐を突き立てた。一方、小五郎は奉行所から出て来た桐野を斬り捨てたのだった。