第9話「怪物親」 おさらい
モンスターペアレンツならぬ"怪物親"が
江戸の昌平坂学問所に現われた!
翻弄される講師・椿伊織の命運は!?
ひとこと解説~昌平坂学問所~
昌平坂学問所は、孔子を祀った湯島聖堂を中心とする、儒学の講義所である。昌平黌(しょうへいこう)とも呼ばれる。日本における儒学の総本山であると同時に、日本の学校教育の先駆けとも言える学問所であった。昌平の名は、孔子の生まれた昌平郷にちなんで命名された。
脚本:後藤法子 監督:山下智彦
江戸にある昌平坂学問所で、講師の自殺事件が起こった。遺書には「げに恐ろしきは怪物親なり」と書き残されていた。怪物親とは、学問所に対して自己中心的で理不尽な要求を繰り返す親たちのことで、大試験と呼ばれる昇級試験を控えて特に気が立っているのだという。
今日も、学問所に怪物親がやってきた。講師の椿伊織(池内博之)は、旗本の妻・高田トヨ(元井須美子)をはじめとする怪物親たちから詰め寄られ、困り果てた様子。
そんな中、修吾(小阪風真)ら侍の子弟たちが、町人の子供である作太郎(前田航基)にイヤがらせをしているのを見た伊織が、彼らを叱りつけた。それが原因で、伊織は怪物親から暴力講師として激しい抗議を受けることに。だが、修吾の父で、昌平坂学問所を監督する役人・畠中伊右衛門(田中健)の執り成しで、なんとかその場は収まった。同僚の講師・牧山有三(下総源太郎)と島田儀一(井之上淳)から励ましを受け、安心した様子の伊織。
しかし、怪物親による抗議はますますエスカレートしていく。今度は、伊織が不正をしているという噂が立てられ、筆頭講師の佐々井玄也(綾田俊樹)から取調べを受けることに。すると、伊織の硯(すずり)からは身に覚えのない金が見つかる。大試験を前に親からワイロを受け取ったと責められた伊織は、潔白を訴える声もむなしく、自宅での謹慎を命じられてしまう。
しかも、怪物親は謹慎中の伊織の自宅にまで押しかけ、抗議してきた。心配そうな妻のきぬ(遠藤久美子)を横目に、伊織は、伊右衛門に直訴しようと決意し、学問所を訪れる。しかし、そこで耳にしたのは大試験の不正を画策する伊右衛門と講師たちによる密談だった。裏から手を回し、怪物親を動かしたのも伊右衛門だったのだ。それを知った伊織は、伊右衛門に向かって、奉行所に不正を訴えると言い放った。だが、伊右衛門によって懐柔された牧山と島田の手によって殺害されてしまう。結局、伊織の死は自殺として片付けられることになった。
きぬの依頼で仕事が始まった。まず、涼次(松岡昌宏)が遊女と戯れている島田の首筋を錐で貫いた。次に、源太(大倉忠義)が学問所から帰る牧山をからくり蛇で絞め上げた。さらに、中村主水(藤田まこと)が、学問所にいた佐々井を仕留めた。最後に、小五郎(東山紀之)が伊右衛門を斬り捨てたのだった。