第12話「冤罪」 おさらい
大泥棒・石川六右衛門が江戸に出没!
仕事に困って盗みを働いた貧乏浪人・清兵衛は、
恐るべき陰謀に巻き込まれてしまう!
脚本:瀧本智行 監督:酒井信行
江戸の街に石川六右衛門(本田博太郎)と名乗る大泥棒が現れ、大店から次々と大金を盗み出す。坂本勘助(宇梶剛士)をはじめ、小五郎(東山紀之)や伝七(福士誠治)ら同心たちは必死に追跡をおこなうが、今夜も六右衛門を取り逃がし、筆頭与力・西山右近(上杉祥三)から叱責を受けてしまう。
そんなとき、貧乏浪人・長田清兵衛(松村雄基)は、折からの不況で仕事に困るあまり盗みを働いた。その清兵衛を、ひょんなことから小五郎が捕らえることになり、南町奉行所のお白州で清兵衛の裁きが行なわれた。町奉行の矢部甲斐守忠孝(小林稔侍)は、清兵衛の困窮ぶりと、妻・サト(渋谷琴乃)や幼子のことを考慮し、情けをかけてお咎めなしとした。感謝に打ち震える清兵衛。
あいかわらず六右衛門が盗みを重ねていく中、決意を新たに仕事を探し始めた清兵衛は、お堂の修繕の仕事を見つけることができた。だが、彼がお堂を訪れると、部屋の隅には千両箱が。その場に、与力の西山と奉行所の同心たちが踏み込んできた。ここが六右衛門の隠れ家だという密告があったのだ。何も知らないという訴えもむなしく、清兵衛は捕らわれた。さらに、清兵衛の家に乗り込んだ西山の調べで、家の床下から小判の束が見つかった。
吟味方与力の遠野兵衛門(片桐竜次)による厳しい拷問の末、清兵衛は自分が六右衛門であると自白してしまう。再び、お白州で裁きが行なわれ、清兵衛は無罪を訴える。だが、矢部は清兵衛が六右衛門であると知っていて、わざと泳がせていたのだと言うと、市中引き回しの上獄門を言い渡した。涼次(松岡昌宏)の調べで、矢部こそが、与力の西山や遠野、石川六右衛門こと永井為蔵らを動かす、黒幕だったことがわかった。
サトの頼みで仕事が始まった。的は、矢部、西山、遠野、為蔵の4人。源太(大倉忠義)が欠けた分、小五郎が2人を片付けることになった。仕事の場所は南町奉行所。涼次が遠野を、中村主水(藤田まこと)が西山を仕留めた。さらに、小五郎がお白州で矢部を斬り捨てた。
残る的は為蔵一人。茶屋から出てきた為蔵を尾行し、小五郎が機会をうかがっている矢先、何者かによって為蔵が殺されてしまう。逃げていく男の影に、振り返る小五郎だったが……