第17話「ゴミ屋敷」 おさらい
江戸にゴミ屋敷が出現!住みついた老女は、
主水の裏稼業の知り合い・あやめだった!
果たして、このゴミ屋敷に隠された秘密とは!?
脚本:森下直 監督:酒井信行
自身番屋に詰めている中村主水(藤田まこと)に、町人から苦情が寄せられる。住人のいなくなった旗本の屋敷に老女が住みついてゴミ屋敷に変えてしまったため、悪臭がすさまじいというのだ。
主水が渋々、屋敷を訪れると、目の前に現われたのは、顔見知りの女・あやめ(加賀まりこ)だった。あやめは裏稼業の世界では名の通った始末人。いわくつきの死体を闇から闇へと葬る仕事だ。彼女は、その裏稼業を隠すために、この屋敷をゴミ屋敷に仕立て上げたのだった。
だが、そんなあやめのゴミ屋敷はいつからか、どこからともなく噂を聞きつけた人々が、老人を捨てに来る場所になっていた。今やあやめは、姥捨て山と化した屋敷の中で、雇った若者たちとともに老人たちを世話して暮らしている。用心棒になってほしいというあやめの頼みを不審に思った主水は、あやめの金の出所には裏があるとにらみ、お菊(和久井映見)に探るよう相談する。
お菊が張っていると、ゴミ屋敷の様子をうかがう一人の女が。八重(松岡由美)という茶屋問屋の女将だ。最近、涼次(松岡昌宏)が経師屋仕事に通う旗本・大槻玄太夫(立川三貴)の屋敷に出入りしている女だという。
その頃、奉行所では、一年前に五千両を奪う強盗事件を起こした盗賊・土蜘蛛の十兵衛(綿引勝彦)の一派が、江戸に舞い戻ってきたため、あわただしい雰囲気になっていた。南町奉行所筆頭同心・坂本勘助(宇梶剛士)は、小五郎(東山紀之)や伝七(福士誠治)ら同心たちに見回りの強化を命令した。
そんな矢先、ゴミ屋敷は、土蜘蛛の十兵衛の一味よって襲撃された上、放火されてしまう。さらには、旗本・玄太夫の圧力で、奉行所によるゴミ屋敷への手入れが決まった。主水のとりなしでなんとか手入れを避けることができたあやめは主水に事件の真相を明かした。ゴミ屋敷は、土蜘蛛の十兵衛が五千両を隠した場所だったのだ。その金を取り戻すために、十兵衛はあの手この手で屋敷を襲ったのだ。屋敷から手を引けという主水の忠告を退けると、あやめはもしものときに備えて仕事の頼み料を渡した。
ついにしびれを切らした土蜘蛛の十兵衛の一味は、ゴミ屋敷に乗り込み、あやめや老人たちを皆殺しにしてしまう。あやめから受け取っていた金を頼み料に仕事が始まった。仕事の的は、土蜘蛛の十兵衛、彼の右腕・八重と手下たち、十兵衛と結託した旗本・玄太夫だ。涼次が八重を、匳(田中聖)が手下の雅蔵(竹嶋康成)を次々に仕留め、小五郎も、手下たちを斬り捨てる。さらに、主水が土蜘蛛の十兵衛に脇差しを突き立てた。そして、小五郎が玄太夫を一刀両断にしたのだった。