登場人物

渡辺小五郎東山紀之

仕事人。表の顔は、本町奉行所に勤める同心である。奉行所では面倒な仕事を避ける怠け者で通っているが、ひとたび“仕事”となれば鮮やかな太刀さばきで悪人たちを一刀両断にする冷徹さを発揮する。

今回のみどころ

路上で盗みを働いた少女・つゆを助け、なつかれてしまった小五郎は、家まで連れて戻るはめになる。一方、奉行所の摘発でやくざ者が自害した事件を目の当たりにし、裏にさらなる陰謀が潜んでいるとにらむ。

経師屋の涼次松岡昌宏

仕事人。表の顔は、襖や屏風を修繕する経師屋である。筆に錐を仕込んだ仕事道具で、相手を突き刺して息の根を止める。食道楽で女好きの豪快な性格。口は悪いが、困った人間をほっておけない情にもろい一面も。

今回のみどころ

賭場を訪れた涼次は、やくざ者とはちがう「グレ者」と呼ばれる悪党が幅を利かせているという噂を耳にする。博打で儲けた金で祝い酒を飲もうと立ち寄った水茶屋では、たけという気立ての良い女と知り合う。

リュウ知念侑李

『必殺仕事人2014』からメンバーに加わった仕事人。父のかたき討ちのために江戸にやってきて、「仕事」の世界に足を踏み入れることになった。田舎で坊主の修行をしていたせいか、裏家業には似つかわしくない素朴な性格の持ち主。

今回のみどころ

庭師として与力の田上誠蔵の家に出入りすることになったリュウ。家に引きこもっていた息子の新之丞と親しくなり、一緒に出かけた先で溝端九右衛門なる教育者と出会う。

花御殿のお菊和久井映見

常磐津の師匠。裏稼業は、仕事の情報屋。恨みを抱えて三番筋を訪れる頼み人から仕事を請け負う。また、個性の強い仕事人の面々をまとめるプロデューサーとしての役割も果たす。

今回のみどころ

子どものために命も惜しまない親心を逆手に取った「親だまし」の卑劣さに憤るお菊は、詐欺の被害者から「仕事」を引き受けることになるのだが?

  • 綾小路てんキムラ緑子

    ふくの叔母。姉のこう亡きあとの渡辺家を心配し、大阪からやってきて同居している。婿殿について渡辺家にやってきた少女・つゆを、ふくとともに面倒を見ようと張り切る。

  • 渡辺ふく中越典子

    小五郎の妻。夫を支えて渡辺家を盛り立てようとがんばる日々だが、そんな気持ちが時に空回りすることも。小五郎についてきた少女つゆの辛い境遇を知り、渡辺家で預かると言い出す。

  • 増村倫太郎生瀬勝久

    本町奉行所に勤める与力。小五郎ら見廻り同心たちの上司にあたる。長いものには巻かれる、いわゆる管理職人間。今回、新しい与力として田上誠蔵が就任し、自分の地位が脅かされるのではないかと気が気でない。

  • 住之江彦左衛門松尾諭

    本町奉行所に勤める同心。小五郎の相棒的な存在である。「親だまし」の詐欺を撲滅するため、やくざ者の取り締まりに奔走する。

  • 田上誠蔵杉本哲太

    湯川伊周の右腕として本町奉行所にやってきた与力。つねに険しい面持ちを崩さない生真面目な男。しかし、家に帰れば、引きこもる息子をどう扱ってよいか悩む父親の顔を持つ。

  • 田上新之丞杉野遥亮

    誠蔵の息子。人付き合いが苦手で、家に引きこもっている。親しくなったリュウと出かけた先で「新生塾」の代表・溝端九右衛門と出会い、感銘を受けて入塾を決意するが、父親の誠蔵から反対されてしまう。

  • たけ森川葵

    つゆの母。娘を親戚に預け、水茶屋で懸命に働いてお金を稼ぐ日々を送っている。貯めた金でつゆと一緒に居酒屋を開くのを夢見ている。

  • つゆ古川凛

    たけの娘。水茶屋で働く母親と離れ、親戚に預けられているが疎まれている。街中で盗みを働いたのを小五郎に助けられ、渡辺家までついていくことになる。

  • しずえ中島ひろ子

    誠蔵の妻で新之丞の母。心優しい母親で、家に引きこもっている息子を案じている。リュウと知り合い、外に出かけるようになった息子の姿を見て喜ぶが……。

  • 五十嵐鉄三郎大東駿介

    若いのに大金を持つ美男子。その正体は、義理人情と無縁な「グレ者」と呼ばれる一味を率いるリーダー。水茶屋で出会ったたけを気に入っている様子だが……。

  • 溝端九右衛門駿河太郎

    「新生塾」を主宰する熱き教育者。悩める若者に生きる道を説き、巷で評判を呼んでいる。与力の田上の息子・新之丞に目をかけ、より進んだ授業に参加するよう誘う。

  • 湯川伊周市村正親

    今回、新たに就任した本町奉行。数々の名裁きで知られる名判官である。江戸の町で頻発する「親だまし」の詐欺の撲滅をめざし、やくざ者の取り締まりを宣言する。