隠れた悪を絵で暴く!?
謎の絵師「晩来(ばんくる)」に騒然とする江戸の町!
「世直し」の果てに待つ
驚愕の結末とは!?
本町奉行所に勤める同心・渡辺小五郎(東山紀之)のもとに岡っ引きの亥ノ吉(岸優太)が飛び込んできた。サボってばかりの小五郎を見かねた与力の増村倫太郎(生瀬勝久)があてがった仕事熱心な正義漢だ。亥ノ吉は町娘に乱暴を働こうとした岸田藤十郎(木村了)をしょっ引いてきたのだが、その顔を見た増村はあわてて後は奉行所に任せろとその場を収める。
同じ頃、経師屋の涼次(松岡昌宏)は表の仕事で旧知の絵師・才三(西畑大吾)と再会する。口下手で内向的な性格ながら、涼次も認める画才の持ち主だ。だが、才三の胸には涼次も知らない熱い思いが秘められていた……。
翌日、江戸の町を見回りしていた亥ノ吉は、自分が捕まえたはずの藤十郎が悠然と歩いている姿を見て驚きを隠せない。奉行所に訴えたものの、増村は「上と相談して決めた」と言うばかり。実は藤十郎は勘定奉行・岸田重右衛門(金田明夫)の息子だったおかげで無罪放免されたのだ。
やり場のない怒りを抱えた亥ノ吉は、弟の才三に「世の中には知られていない悪人がごまんといる」と言い放つと、酒を薄めて売っていると噂の酒屋の塀に絵を描かせ、不正を告発する言葉を書きなぐった。
酒屋の悪事を暴く「落書き」は世間で「世直し」として一躍評判になる。これを皮切りに亥ノ吉と才三は「世直し」を次々とおこなっていく。巷では一晩で絵を描き去っていくことから、いつしか「晩来(ばんくる)」と呼ばれることに。さらに亥ノ吉は岡っ引きとして「世直し組」を率いるようになった。仕事に精を出す亥ノ吉の姿を見て、ひそかに思いを寄せる幼馴染の美代(高月彩良)もうれしそうな表情を浮かべるが…。
江戸の民衆が熱狂する「晩来」出現が新たな悲劇の始まりに過ぎないとは、かの小五郎でさえも予見していなかったのだった…… 「絵描きの世直し」の果てに待つ驚愕の結末とは!?