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『本当は怖い虫歯〜忙しさの代償〜』 |
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K・Kさん(男性)/41歳(当時) |
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会社員(旅行会社勤務) |
二人の中学生の子供を抱え、かさみだした教育費。子供たちの将来を考え、日々の激務に耐え働いていたK・Kさん。そんな彼は1年前から少しずつ痛み出した「虫歯」が気になっていた。
しかし、忙しさにかまけて放っておいたために、今や歯の中心に大きな穴があいてしまいました。
ほどなく、K・Kさんに様々な症状が現れてきた。 |
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(1)虫歯
(2)歯茎から出血
(3)発熱
(4)高熱
(5)長期間、熱が続く
(6)指先に赤黒い斑点 |
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脳梗塞 |
<なぜ、虫歯から脳梗塞に?> |
「脳梗塞」とは脳の血管が血栓などでつまり、血流が行き渡らなくなることで脳の組織が壊死してしまう病気。しかし、脳の病気と虫歯とは一体どんな関係があるのでしょうか?そこには、「感染性心内膜炎」という恐ろしい病気が隠されていました。「感染性心内膜炎」とは心臓の内部になんらかの細菌が侵入し、心臓の一部を腐らせてしまう病。K・Kさんの場合、放置していた虫歯の歯茎から出血したその時、細菌が血液中に侵入したのです。健康な人の場合、大抵の細菌は血液中に入っても白血球が退治してくれます。しかしK・Kさんの場合、日頃の激務とストレスの蓄積によって体力が低下。免疫力が大幅にダウンしていたため、細菌がそのまま血管の中を進み、大動脈へ血液を送り出している弁にとりついてしまったのです。謎の発熱は細菌に冒された心臓が炎症を起こしたためでした。心臓の弁に巣食った細菌は増殖、弁を腐らせ、ついに病巣はイボ状に成長してしまいました。そのカケラがはがれ、血流に乗って全身へ回った結果が、あの指先にできた赤黒い斑点。指の末梢血管にイボのかけらが詰まったことが原因でした。そして弁から最も大きなイボ状の病巣がはがれ、動脈内を猛スピードで移動。そのかけらによって脳の血管が塞がれ、K・Kさんは脳梗塞を起こしたのです。全ての始まりは、あの虫歯。たかが虫歯とたかをくくり、放っておいたがために起こった悲劇でした。 |