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『本当は怖い足のしびれ
〜接待サラリーマンに潜んだ罠〜』 |
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I・Fさん(男性)/55歳(当時) |
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会社員(銀行員・部長職) |
日曜日の接待ゴルフを初め、週3、4日は得意先を囲んで飲食、飲酒。そんな日々を何十年と送っていたI・Fさん。しかし最近、ゴルフをすると、足先にしびれを感じるようになった。
そして、ほかにも様々な気になる症状が現れてきた。
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(1)足先のしびれ
(2)片足の先だけ妙に冷たい感じがする
(3)ふくらはぎのしびれ
(4)腰のしびれ
(5)足の異常なしびれ
(6)(靴ずれなど)傷口の急激な悪化 |
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脳梗塞 |
<なぜ、足のしびれから脳梗塞に?> |
「脳梗塞」とは血管に血栓が詰まり、脳に血液が行き渡らなくなることで、脳が壊死を起こしてしまう病気。しかしI・Fさんの症状はすべて腰から下、特に足先に起こっていました。それなのに一体なぜ脳梗塞に?実はそこには「閉塞性動脈硬化症」という病が隠されていました。閉塞性動脈硬化症とは、腹部や足の血管が動脈硬化を起こし、血液が流れにくくなる病気です。そう、I・Fさんは実は腹部で動脈硬化症を起こしていたのです。その原因は油物中心の食生活、大量の飲酒・喫煙など長年に渡る不摂生でした。I・Fさんの場合、最初の症状は足先のしびれや冷えとなって現れました。実は閉塞性動脈硬化症は、動脈硬化を起こしている部分から先に血液が行かなくなってしまうため、最も遠い足先にまず症状が出るのです。そして動脈硬化の進行につれ、症状はふくらはぎや太ももへと上がっていきます。通常ならすぐに治る靴ずれが悪化したのも、その部分の血流が悪くなり、患部が壊死を起こしたためでした。しかし、この病気の最も恐ろしいところは、腹部や足の動脈硬化と並行して全身でも動脈硬化が進んでいること。I・Fさんも全身で動脈硬化を起こし、頸動脈にまで進行。ところが症状が現れるのは腹部から下のみ。そのためI・Fさんは腰痛が原因だと思い込み、整形外科を訪ねてしまいました。それこそが閉塞性動脈硬化症の恐るべき罠なのです。知らないうちに動脈硬化を起こしていた頚動脈、そこに血栓が詰まり、ついに脳に全く血液が行き渡らなくなってしまいました。もし、足の異変が出始めた時点で、動脈硬化を疑い正しい対処をしておけば、脳梗塞による死を免れることは出来たはずです。 |