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『本当は怖い薬の飲み方(1)~身体に合わない薬~』 |
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T・Yさん(女性)/25歳(当時) |
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エアロビクス教室インストラクター |
今までこれといった大病を患ったこともなく、健康には人一倍自信があったT・Yさん。
しかし、その日はちょっと風邪気味。ひどくなる前に治しておこうと、病院で診察を受けたところ、いわゆる『総合感冒薬』を処方されました。処方通り一日3回、食後に風邪薬を飲み続けた彼女。
薬を飲み始めて3日目、ようやく熱も下がり、一安心と思った矢先、なぜか喉が痛くなり・・・。
そしてさらなる症状が襲います。 |
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(1)喉の痛み
(2)赤い発疹
(3)高熱
(4)目のかゆみ
(5)目の充血
(6)全身に赤い発疹
(7)口元の水ぶくれ
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スティーブンス・ジョンソン症候群(T・Yさんは死亡) |
<なぜ、『総合感冒薬』を飲んでスティーブンス・ジョンソン症候群に?> |
「スティーブンス・ジョンソン症候群」とは、薬を飲むことによって突如発症する原因不明の病。身体中の皮膚や粘膜を次々と破壊し、最悪の場合、死に至ることもあります。それまで大丈夫だった薬でも発症することがあり、さらにはどの人に、どんな薬で起こるのか、それすら全くわかっていません。現在、日本では年間400人近くの人がこの病気になっていると言われています。T・Yさんの突然の死の原因は、医師に処方された風邪薬にありました。通常、体内に入った薬は、体の様々な場所の炎症を抑えてくれます。しかしT・Yさんの場合、薬のある成分によって皮膚や粘膜の細胞が突然変異。異物を退治する免疫細胞が、その突然変異した細胞を悪者とみなし、激しく攻撃を始めてしまったのです。喉の痛み、発熱、赤い発疹、目のかゆみ・充血、それら全ては免疫細胞の攻撃によるものでした。この病気の最も恐ろしいところは、いったん発症してしまうと、猛烈なスピードで細胞の破壊が進んでしまうこと。T・Yさんは、発症からたった2日で細胞の破壊が全身に広がり、ついには多臓器不全を起こし、帰らぬ人となってしまいました。T・Yさんが、唯一この病気に気づくことができたチャンス。それはただの風邪ではありえない赤い発疹。それこそが決して見過ごしてはならない症状だったのです。薬の注意書きをよく見ると、こんなことが書かれています。「服用中、発熱、発疹、紅斑等の症状が現れた時は、すぐに医師にお知らせください」もし、T・Yさんがこの注意書きを読んでさえいれば、最悪の結末をむかえることはなかったかも知れません。 |