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『本当は怖い関節痛~忍び寄る苦痛~』 |
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K・Hさん(男性)/53歳(当時) |
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会社員 |
責任感が強く、几帳面な仕事ぶりで部下からの信頼も厚い理想の上司だったK・Hさん。
若い頃からスポーツマンとしてならし体力には自信を持っていましたが、最近、体の節々が痛むようになりました。
「寄る年波には勝てないのか」と思っていたK・Hさんですが、やがてさらなる症状が現れます。 |
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(1)関節痛
(2)鼻づまり
(3)集中力の低下
(4)不眠
(5)身体がだるく起きられない
(6)めまい
(7)気力を失う
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男性更年期障害(だんせい こうねんき しょうがい) |
<なぜ、関節痛から男性更年期障害に?> |
女性が閉経を迎える時期におこる「更年期障害」。それが実は男性にも起こることが最近になってわかってきました。その詳しい原因ははっきりとはわかっていませんが、大きく関係していると考えられるのが男性ホルモン。これが低下することで、身体や精神に様々な症状が出るのです。男性ホルモンは主に精巣で作られ、生殖機能の調整をはじめ、骨や筋肉の増強を促すなど、男性らしい身体や精神を保つ役割をしています。つまり男性ホルモンは生きていく上で欠かすことのできないホルモンなのです。K・Hさんが最初に感じた関節の痛みは、男性ホルモンが低下したために起きたもの。関節には骨や筋肉が集中していますが、K・Hさんの場合、それらを作るのを助ける男性ホルモンが減ったため、関節が痩せ衰え、痛みを感じるようになったのです。あの異様な発汗も、男性ホルモンが減ったことで自律神経が異常をきたし体温のコントロールができなくなったためでした。また集中力が落ちる、眠れない、朝めまいがして身体がだるい。これらの症状も、すべては男性ホルモンの低下によって、精神のバランスが崩れたために起きたこと。しかし病院に行ったK・Hさんは、うつ病と診断されました。
実は男性更年期障害は、男性ホルモンを調べない限りわからない病気。うつ病と症状がよく似ているため、そう診断されてしまうことが多いのです。こうしてK・Hさんは、家から一歩も出られなくなるほど病を悪化させてしまいました。40代後半から60代前半にかけて一気に増えるこの病。その原因の一つは加齢によって男性ホルモンが低下するためと考えられていますが、だからといって必ずしも発症するわけではありません。男性更年期障害のもう一つの原因は、ストレス。K・Hさんのように几帳面で責任感が強い人はストレスによる精神的なダメージを受けやすく、病を引き起こしやすいと言われているのです。まだ世間にあまり知られていない男性更年期障害。そのためK・Hさんのように原因がわからないまま、病が悪化。家から一歩も出られず、仕事につけなくなるケースも増えています。男性更年期障害は、決して侮ってはいけない病なのです。 |