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『主婦を襲うストレスの恐怖(1)
本当は怖い生理不順~負担~』 |
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S・Mさん(女性)/34歳(当時) |
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OL(旅行代理店勤務)
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旅行代理店に勤務するS・Mさんは、企画・営業、添乗員もこなすキャリアウーマン。
2年前に結婚して以来、仕事と家庭を両立させようと頑張ってきましたが、35歳を前に子供が欲しいと思い、辞表を出すことを決意。しかし上司に説得され、結局、仕事を辞めることは出来ませんでした。そんな彼女の煮え切らない態度に、夫はいらだちを覚え、不満を爆発。家庭は冷えきったものに・・・ちょうどその頃、S・Mさんの生理が不順になり、予定日よりも数日遅れるようになっていました。特に気にもせず放っておいた彼女ですが、さらに気になる症状が現れます。 |
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(1)生理不順
(2)疲労感
(3)肌荒れ
(4)動悸・息切れ
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卵巣機能不全(らんそうきのうふぜん) |
<なぜ、ストレスによる生理不順から卵巣機能不全に?> |
「卵巣機能不全」とは、卵巣の機能が正常に働かなくなり、身体に様々な悪影響をもたらす病。最悪の場合、不妊症になってしまうこともあります。S・Mさんが卵巣機能不全になってしまったのは、最近、若い女性に増えている恐ろしい異変が原因でした。「若年性更年期障害」。一般的には女性が閉経を迎える50歳前後で始まる更年期。その時に起こる様々な障害が、20代や30代の若さで現れるもの。現在、仕事を持つ主婦を中心に増加傾向にあるのです。S・Mさんの体は、若年性更年期障害によって急激に老化していました。その原因はストレス。仕事と家庭で受けていた数々のストレスが、S・Mさんの「脳の視床下部」に影響を及ぼしていたのです。視床下部は脳下垂体に働きかけ、全身にホルモンを分泌させるための指令を出す重要な場所。ところが、この視床下部がストレスを受けると、脳下垂体への命令が正常に機能しなくなってしまいます。このため、全身のホルモン分泌が異常をきたし、卵巣では女性ホルモンの分泌が急激に減ってしまいました。こうして女性ホルモンが減少したため、生理が遅れることが多くなり、不順な状態が続いたのです。さらに肌が荒れてしまったのは、肌のみずみずしさや髪の毛の色つやなどを保つ女性ホルモン「エストロゲン」が不足し、全身に行き渡らなくなったため。そして夫との冷めた関係や姑の一言が、S・Mさんのストレスに拍車をかけました。疲労感や動悸・息切れなど若年性更年期障害の症状に襲われたのは、女性ホルモンの不足によって視床下部にある自律神経の中枢がバランスを失い、全身の自律神経の機能が低下してしまったためだったのです。1ケ月以上生理がなく不安に思った時点で、病院に行っていれば、大事には至らなかったはず。しかし、忙しさにかまけてその後2ケ月も放っておいたS・Mさんは、ついに突然倒れるという事態に陥ってしまったのです。この時、S・Mさんの卵巣は、自力で回復する力を失うほど萎縮し、卵巣機能不全を引き起こしていました。こうなると生活習慣の改善だけで、再び排卵が起こることはほとんどありません。S・Mさんは現在、仕事を辞め、不妊治療を始めています。 |