|
『本当は怖い子供の発熱〜手慣れた誤認〜』 |
|
母親 K・Nさん(女性)/ 34歳(当時)
3女 K・Aちゃん/4歳(当時) |
|
専業主婦 |
3人の子育てに追われるK・Nさんは、自他ともに認めるベテランママ。子どもたちの扱いも手慣れたものでしたが、ある日、末っ子のAちゃんが突然38度の熱を出しました。また風邪を引いたと思い、いつものように常備している風邪薬を飲ませ、Aちゃんを寝かしつけたK・Nさん。翌日、小児科で薬をもらって一安心していましたが、その後、Aちゃんに異変が現れます。 |
|
(1)発熱
(2)目の充血
(3)発疹
(4)嘔吐
(5)心筋梗塞
|
|
川崎病 |
<なぜ、発熱から川崎病に?> |
「川崎病」とは、原因はまだわかっていませんが、突然、全身の血管に炎症が起きることで、様々な症状を引き起こす病です。0歳から4歳までの子どもに多く、その数は年々増え続けています。通常、その症状は1週間ほどで治まります。しかし、この病気の恐ろしいところは、最悪の場合、心筋梗塞を起こし、死に至る危険性があるということ。では、そうなる前に早期発見するポイントはないのでしょうか?実は川崎病には、特徴的な6つの症状があります。「発熱」、「目の充血」、「発疹」、「唇」、「舌の赤み」、「リンパ節の腫れ」、「手足のむくみ」。このうち、発熱を含め、いくつかの症状があれば川崎病と診断されるのです。Aちゃんにも発熱、目の充血、発疹などの症状が出ていました。しかし、Nさんは3人の子育ての経験から勝手に風邪と判断。そのうち良くなると思い込んでしまったのです。そして発熱から1週間後、Aちゃんの熱が下がったことで、Nさんは安心してしまいました。これこそが川崎病の落とし穴。確かにこの時点で、川崎病の症状は治っています。しかし、病は一見元気に見えたAちゃんの小さな心臓にこっそり時限爆弾を仕掛けたのです。全身の血管と同じように心臓の血管でも起きていた炎症。その後遺症で、血管にコブが出来てしまったのです。そのコブのせいで血流が滞り、血栓が出来てしまいました。そして最後の瞬間、激しい運動がきっかけで、血圧が一気に上昇。その勢いではがれた血栓が血管に詰まり、心筋梗塞を起こしてしまったのです。幸いAちゃんは病院で適切な治療を受け、一命を取り留めました。川崎病は早期発見して投薬治療を受ければ、9割が血管にコブも出来ず、完治する病。親が熱以外の症状を見逃さないようにすることが予防につながるのです。 |