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『本当は怖い虫歯〜虫歯がもたらす最悪の結末〜』 |
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K・Gさん(男性)/48歳(当時) |
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会社員 |
K・Gさんは、会社ではうだつの上がらない、いわゆるダメ社員。ところが、夜になると仕事のうさを晴らすかのように毎晩はしご酒。不摂生がたたったのか、すっかり中年太りの体型になっていましたが、ある日、左の奥歯が痛み出しました。1ヶ月後、相変わらず奥歯は痛むものの、一時的な痛みのため放っていたK・Gさんでしたが、翌朝から更なる異変が起こり始めます。 |
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(1)虫歯
(2)頭頂部を針で刺すような頭痛
(3)嘔吐 |
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脳静脈血栓症(のうじょうみゃく けっせんしょう) |
<なぜ、虫歯から脳静脈血栓症に?> |
「脳静脈血栓症」とは、脳梗塞の一種で、脳の静脈に血栓が詰まることで脳が壊死し、最悪の場合、死に至ることもある恐ろしい病。では、K・Gさんの脳静脈はなぜ詰まってしまったのでしょうか?検査の結果、血栓が詰まった所から驚くべきものが発見されました。それは「虫歯菌」。そう、この虫歯菌こそがK・Gさんを死に至らしめた犯人だったのです。では一体なぜ虫歯菌が脳静脈に存在したのでしょうか?K・Gさんが放っておいた虫歯は、すっかり奥まで穴が開いていました。こうなると、その穴は血管にまで到達していることが少なくありません。つまりK・Gさんの口の中にあった虫歯菌は、その穴から血液へと侵入してしまったのです。通常なら、虫歯菌は免疫細胞によって退治されてしまいます。しかしK・Gさんの場合、不摂生な生活のせいで疲労がたまり、免疫力が落ちていました。こうして生き延びた虫歯菌が行き着いた先、それが脳静脈だったのです。脳静脈に張り付いた虫歯菌は炎症を引き起こし、血管を狭くしてしまいました。さらにK・Gさんの場合、酒やタバコ、脂っこいものを多く摂る生活習慣によって、いわゆる濃縮型血液になっていたのです。そのため、血液の流れはますます悪化。あの頭痛や嘔吐といった症状は、脳静脈の血液の流れが悪くなり、脳内の圧力が増したために起こったものでした。そして、虫歯菌によって血管が狭くなった部分に血栓が溜まり始め、ついには完全に詰まってしまったのです。病院に着いた時には、すでに脳の半分以上の機能が停止。K・Gさんは死に至ったのです。たかが虫歯とあなどってはいけません。虫歯菌は、このような脳障害だけでなく、心臓の血管にも影響を及ぼし、最悪の事態を招いてしまうこともあるのです。 |