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『本当は怖いドライアイ~飢えた瞳~』 |
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K・Mさん(女性)/31歳(当時) |
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ネットショップ経営 |
雑貨販売のネットショップを立ち上げたK・Mさんは、雑誌に取り上げられた自分の顔が暗い感じだったため、メガネをやめコンタクトレンズにすることを決意。さっそく近所の眼科で検査を受けたところ、軽度のドライアイと診断されました。コンタクトを使う場合、症状が悪化することがあるため、3ヶ月ごとに定期検診に来るよう医師から指示されます。(ドライアイ…涙の量が少なくなり眼球が乾くことで、目が充血したり、疲れやすくなったりする病気。)2週間で交換するソフトコンタクトレンズを購入した彼女は、以前から憧れていた男性に綺麗になったと褒められ、天にも昇る思いでしたが・・・。2ヵ月後、だんだんコンタクトの扱いに慣れて、本来なら毎晩20回こするべきレンズの擦り洗いを2、3回で済ませるようになり・・・その後、様々な異変が現れます。 |
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(1)目ヤニが出る
(2)眼がヒリヒリ痛む
(3)目の充血
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角膜びらん |
<なぜ、ドライアイから角膜びらんに?> |
「角膜」とは、眼の表面で眼球を保護する薄く透明な膜のこと。「角膜びらん」は、この角膜の表面の細胞がはがれ落ち、炎症を起こす病。そのまま放っておくと、眼に重度の障害が起きる可能性もあります。実はK・Mさんは、この病気を発症させやすい危険因子を持っていました。それこそがドライアイです。普段、角膜は涙を通して酸素を取り込んでいます。ところが、ドライアイにより、K・Mさんの涙の量は通常より少ない状態でした。そんな彼女がコンタクトレンンズをつけることにより、わずかな涙の水分がレンズに吸収され、その表面から次々に蒸発していきます。さらにクーラーをかけたまま徹夜でパソコンを使ったことで、涙の蒸発はさらに加速。角膜は酸素不足の状態にあったのです。しかし普通、これだけでは大事に至りません。K・Mさんの症状が悪化した原因は、彼女の誤ったコンタクトレンズの使い方にありました。そう、20回すべきこすり洗いを2、3回に減らしてしまったこと。これでは、レンズの汚れはきちんと落ちません。こうして汚れが付着したままのコンタクトを使った結果、まぶたの裏にアレルギーが発生。目ヤニが増え、かゆみを伴うようになったのです。しかもK・Mさんは、3ヶ月目の定期検診をさぼってしまいました。やがてレンズに付着した汚れは、角膜への酸素の供給をもブロックしてしまいます。完全に酸欠状態に陥った角膜では、表面の細胞が次々と窒息死し、ボロボロの状態に。そしてK・Mさんがレンズを外した瞬間、ボロボロになった表面の細胞がレンズと一緒にはがれ落ちてしまい、角膜がむき出しに。その結果、あのヒリヒリする痛みに襲われたのです。翌朝、コンタクトをつけると痛みが治まりましたが、これはソフトコンタクトレンズがむき出しになった角膜を保護し、一時的に痛みを和らげただけでした。さらに悪いことに、この時、K・Mさんの汚れたレンズには、細菌が取りついていました。そして、彼女の目に侵入していた細菌により、角膜の表面で急激な炎症が発生。K・Mさんは激痛に見舞われたのです。現在、オフィスワーカーの75%にドライアイの疑いがあると言われています。そしてドライアイの人は、コンタクトレンズの使用に一層の注意が必要なのです。 |