|
『本当は怖い肩こり
〜わかってくれない地獄の苦しみ〜』 |
|
O・Kさん(女性)/34歳(当時) |
|
ブティックの支店長 |
つい先日、夫と離婚、十年間の夫婦生活にピリオドを打ち、実家に戻ってきたO・Kさん。離婚を機に、以前勤めていたブティックに復職。それも支店の店長を任されることになりましたが、店長一日目を終えた時、ずっしりと重い肩こりを感じました。気を張りすぎて疲れたのだろうと思っていた彼女ですが、その後も奇妙な異変が続きました。 |
|
(1)肩こり
(2)腰に激痛
(3)体のあちこちで激痛が発生
(4)不眠
(5)痛みがひどく外出できない。
(6)触れられただけで激痛がする。
(7)寝たきりになる。
|
|
線維筋痛症(せんいきんつうしょう) |
<なぜ、肩こりから線維筋痛症に?> |
「線維筋痛症」とは、関節や筋肉など全身のいたるところが激しく痛む病。その痛みは、患者自身の体験談によると、「肉をボロボロに切り裂かれたような感覚」、「ガラスの破片が流れるような痛み」などと表現。最悪の場合、この激痛のため通常の生活さえ不可能になってしまうのです。患者のおよそ80%は女性。日本だけで200万人もの潜在患者がいると考えられています。ひどい痛みが生じる原因の多くはまだ不明ですが、カギは神経にあると考えられています。そもそも痛みは、全身に張り巡らされた神経を通じて脳に伝わります。ところが線維筋痛症になると、この痛みを伝え抑える神経に異常が発生。わずかな刺激が増幅され爆発的な痛みに感じてしまう、と考えられるのです。O・Kさんの場合、最初の症状は肩こり。神経の異常によって起きた、この病特有の初期症状でした。その後、症状は次第に悪化。腰に生じた爆発的な痛みを初め、体のあちこちで激痛が発生します。こうなると、立つ、歩く、座る、といった何気ない動きがすべて痛みにつながり、日常生活すら困難に。そしてついには軽く触れられただけで、飛び上がるような激痛を感じるまでに。事実、線維筋痛症の患者の中には、あまりの激痛のため爪を切ることが出来ない人がいるのです。やがてO・Kさんも、ちょっと体を動かしただけで激痛を覚えるようになり、寝たきり状態に。しかしなぜO・Kさんは、線維筋痛症になってしまったのでしょうか?因果関係はまだ明らかではありませんが、最大の要因と言われるのが、強いストレス。O・Kさんの場合、離婚、再就職などの急激な環境の変化が、強いストレスとなって襲いかかり発症したと考えられるのです。線維筋痛症の最も恐ろしい点は、検査をしても痛みの原因が見つからない、ということ。なぜなら、この痛みは患者が脳の中だけで感じているものだからです。そのため病院に行っても病気の存在すら疑われ、患者のストレスはどんどん増大。何年もドクターショッピングを続けるうちに、ますます病状を悪化させるケースが少なくないのです。幸いO・Kさんの場合、専門医に巡り会い治療を開始。5年後には、ほぼ通常の生活を送れるまで回復しました。線維筋痛症は発病から3年以内に発見し、適切な治療を受ければ、回復する可能性が高い病気なのです。 |