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「胃ガンを早期発見するためには?」 |
「上部内視鏡検査」を受ける方法があります。これはいわゆる胃カメラのこと。小さなカメラを口から挿入し、食道や胃などの病変を直接見て診断します。最近では以前のイメージとは異なり、かなり細いものに改良され、楽に検査を受けることができます。40代になったら、この上部内視鏡検査を一度は受けておくことが、胃ガンの何よりの予防法なのです。 |
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こんな症状ありませんか?
症例(3)『口腔ガン』 |
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M・Hさん(男性)/49歳(発症当時) |
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青果店経営 |
東京の下町で青果店を営むM・Hさんは、お酒が好きで、つい飲み過ぎて午前さまということもしばしば。つい歯磨きを怠ってしまう面倒くさがり屋のせいか、虫歯などのトラブルにしょっちゅう悩まされていました。そんなある日、固い煎餅をかじって、虫歯の詰め物が取れてしまったM・Hさん。特に痛みもなく、歯医者に行くのも面倒だと放っておいてしまいますが、その後、気になる症状が続きます・・。 |
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(1)虫歯の詰め物が取れる
(2)舌の傷
(3)舌に口内炎ができる
(4)口内炎の一部が赤くなる
(5)舌がヒリヒリ痛む
(6)口の中の出血
(7)舌がしびれる
(8)ろれつが回らなくなる
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舌ガン |
<なぜ、虫歯の詰め物が取れたことから舌ガンに?> |
「舌ガン」は、口腔ガンの中で最も症例が多く、進行の早いガンです。M・Hさんの場合も、すでに咽頭やリンパ節に転移しており、手の施しようがありませんでした。わずか半年後、M・Hさんは54歳でこの世を去ってしまったのです。では、M・Hさんを襲った症状のうち、どこからがガンによる症状だったのでしょうか?虫歯の詰め物がとれてしまったM・Hさん。すべてはここから始まりました。詰め物が取れた跡にできた、歯の鋭利な部分。これこそが、舌がんの元凶。この尖った歯が舌の同じ場所に長年刺激を与え続けたことで、新たな異変が起きたのです。それが、あの口内炎。実はこれ、単なる口内炎ではありませんでした。病名、白板症(はくばんしょう)。「白板症」とは、慢性的な刺激を受け続けることで、口の粘膜の一番外側が厚く白く変化する病のこと。一見、普通の口内炎とよく似ていますが、白板症は痛みがないのが特徴。そしてこの白板症こそ、ガンになる前段階の症状なのです。白板症にさらに刺激が加わると、白い層が剥がれ落ち、下の組織が剥き出しになります。そして、そこがアルコールやタバコなどで長年に渡って刺激されると、ガンが発生することがあるのです。M・Hさんの場合、ガンの発生ラインは、症状(5)と(6)の間だったと考えられます。その後、ガンは舌の奥の神経に到達。リンパ節を伝って、全身へと転移してしまったのです。 |
「舌ガンを早期発見するには?」 |
専門の病院を訪ね、「トルイジンブルー染色検査」を受ける方法があります。これはトルイジンブルーと呼ばれる染色液を使った検査で、舌に何らかの病変があるかどうかをチェックします。
まず、染色液を舌に塗り、酢酸できれいに拭き取ります。舌に何らかの傷や白板症、ひいてはガンなどがあると、青く染まって残ります。 |
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こんな症状ありませんか?
症例(4)『大腸ガン』 |
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N・Sさん(女性)/48歳(発症当時) |
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主婦 |
中学生の娘と、結婚25年目の夫に囲まれ、幸せな日々を送っていたN・Sさん。小さい頃から野菜が嫌いな彼女は、結婚してからも肉中心の食生活で、そのせいか便秘に悩まされていました。そんなある日、3日ぶりのお通じの後、トイレットペーパーにわずかな血が付いているのに気づいたN・Sさん。強くいきんだため、お尻が切れてしまっただけと考えていた彼女ですが、その後、新たな異変に襲われることになります。 |
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(1)トイレットペーパーに血がつく
(2)便に血がつく
(3)便が細くなる
(4)便秘
(5)排便後すぐに便意をもよおす
(6)下痢
(7)下腹部のふくらみ
(8)ひどい便秘
(9)激しい腹痛
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直腸ガン |
<なぜ、排便後の出血から直腸ガンに?> |
「直腸ガン」とは、肛門のすぐ上にある大腸の一部・直腸に出来るガンのこと。大腸ガンの中でも4割を占める最も多いガンです。緊急手術で直腸を全て摘出、かろうじて一命をとりとめたN・Sさん。しかし、人工肛門による生活を余儀なくされてしまったのです。トイレットペーパーに血がついた最初の症状から、わずか10ヶ月後のことでした。大腸ガンを発症したN・Sさんの場合、最初の症状が出た時には、すでにガンは進行していました。ではいったいなぜ、そこにいたるまでにガンの進行に気付くことができなかったのでしょうか?その訳は、大腸の粘膜にありました。実は、大腸の粘膜には痛覚が存在しません。そのため、ガンが出来ても、痛みを感じないのです。これこそが大腸ガンの恐ろしさ。痛みがないまま静かに進行し、その症状に気づいた時にはガンが発生してから何年も経っていた…ということが多いのです。N・Sさんの場合も、そうでした。最初にトイレットペーパーに血がついていた時点で、ガンは発生からすでに数年が経過。かなりの大きさになっていたため、便にこすれて出血していたのです。この出血を痔と勘違いしたN・Sさんは、ガンをそのまま放置。そのせいで、ガン細胞は日増しに増殖し、便秘や下痢などの症状を引き起こしながら、ついには直腸を完全に塞いでしまいました。そしてあの時、行き場を失った便が大腸全体に充満し、ついに腸が破裂してしまったのです。大腸ガンが発生する原因は、未だわかっていません。しかし、患者には、ある共通した危険因子があると考えられています。ひとつは、家族に大腸ガンを患った人がいるという家族歴。そして、肉類中心のバランスの悪い偏った食生活。さらに、肥満や運動不足なども、大腸がんと関係があるのではないかと言われています。たとえ症状がなくても、これらの危険因子を知り、早めに検査を受けることこそが、大腸ガンの唯一の予防策なのです。 |
「大腸ガンを早期発見するには?」 |
専門の病院で「下部内視鏡検査」を受ける方法があります。これは肛門からカメラを挿入し、大腸にガンがないかをチェックするというものです。希望により鎮静剤を使用することが可能。それでほとんどの方が眠ってしまい、痛みを感じることなく検査することができます。下剤を飲んで腸の中を空っぽにしてから行うため半日ほどかかりますが、危険因子に心当たりの方は一度検査されることをおすすめします。 |
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