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『本当は怖い首の痛み〜曲がる〜』 |
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Y・Sさん(女性)/30歳(当時) |
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OL |
半年前に大手通販会社に転職したY・Sさん。待遇に不満はなく、仕事にもやりがいを感じていましたが、ことあるごとに体を触ってくるイヤな部長がいました。今の職場を失いたくない彼女は、内気な性格もあって、部長のセクハラを拒否することが出来ずにいましたが、ある朝、首の後ろに軽い痛みを感じました。「寝違えるなんてツイてない」と思っていたY・Sさんですが、その後も首の痛みは続き、さらなる異変に見舞われます。 |
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(1)首の痛み
(2)首が曲がる
(3)首が大きく曲がる
(4)首が曲がったまま動かない
(5)首が大きく曲がったまま動かない |
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痙性斜頸(けいせいしゃけい) |
<なぜ、首の痛みから痙性斜頸に?> |
「痙性斜頸」とは、脳と神経回路に異常が生じ、自分の意思とは関係なく、首が不自然に傾いたまま硬直してしまう病。患者数は年々増え続け、現在1万人から3万人。男女とも、30代から40代の働き盛りに発症しやすい病気だと言われています。この病を発症する大きな要因と考えられているもの、それはストレスです。部長から受け続けていたセクハラのストレスが、Y・Sさんの脳に異常をもたらしていました。さらにもう一つの要因は、セクハラ部長がいつも自分の右側にいるため、常に顔を左側に向けて仕事をしていたこと。強いストレスのもとで首を曲げた同じ姿勢を長時間続けると、脳が誤作動を起こし、不自然な姿勢を正しい姿勢だと判断してしまうことがあるのです。Y・Sさんが、この病に冒された最初のサイン。それは寝違えたと思ってしまった、首の痛み。首を無理に横に向けようとする脳からの間違った命令が、神経を通して筋肉に伝わり、首に痛みを感じたのです。やがてY・Sさんの首は、徐々に間違った命令に従うようになりました。それが、わずかに首が曲がり始めた、あの朝の症状。以来、度重なる部長からのストレスが、Y・Sさんの病を悪化させ、彼女の首をさらに曲げていったのです。そしてついに訪れたあの瞬間。ストレスの元凶だった部長が、Y・Sさんに顔を近づけた時・・・彼女は反射的に首をのけぞらせました。その結果、首がそのまま硬直してしまったのです!痙性斜頸は、発見が遅れると、首が大きくねじれたまま動かなくなり、日常生活を送ることすら難しくなるといわれています。だからこそ、癖や仕事などで同じ姿勢を続ける人や、強いストレスを感じている人は、特に注意が必要なのです。 |