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「薬剤アレルギーを未然に防ぐためには?」 |
(1)自分自身のアレルギー体質を知ることが大切です。
(2)過剰なストレスなども、アレルギー発症のきっかけとなるので注意しましょう。
もしちょっとでも身体に違和感を覚えたら、病院で検査を受けることをおすすめします。 |
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『間違った薬の飲み方<2>〜忍び寄る赤い悪魔〜』 |
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K・Tさん(男性)/59歳(発症当時) |
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サラリーマン |
定年まであと2週間という日に、「一過性脳虚血発作(いっかせい のうきょけつほっさ/何らかの原因で血管がつまり、一時的に脳への血流が途絶えてしまう病)」に襲われ、意識を失い倒れてしまったK・Tさん。幸い一命を取り留めた彼に、医師が処方したのは、アスピリン成分を含む抗血小板薬。もともと痛み止めとして知られるこの成分は、血液をサラサラにする効果もあり、脳梗塞などの予防にも広く使われているのです。まもなく定年なのに、こんな調子では妻に恩返しをするどころではない…。そう思ったK・Tさんは、医師の指示通り、毎日、朝食後に薬を飲むことを妻に約束。しかし、肥満は万病の元とダイエットを始めた彼は、朝食を抜いて薬だけを飲むようになります。すると、様々な異変に襲われ・・・ |
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(1)めまい
(2)息切れ
(3)食欲不振
(4)吐血 |
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アスピリン起因性潰瘍(アスピリンきいんせいかいよう) |
<なぜ、朝食抜きで薬からアスピリン起因性潰瘍に?> |
「アスピリン起因性潰瘍」とは、アスピリン成分を含む薬の服用が原因で、胃や腸に潰瘍ができてしまう病。ひどい場合は胃の壁に穴が開き、大量の出血を引き起こすこともあります。K・Tさんの場合も、胃に潰瘍ができていました。それもかなり進行し、急激に胃の中に血が溜まったため、コップ一杯程の血液を一気に吐き出してしまったのです。しかし、一体なぜ、こんなことになってしまったのでしょうか?全ての原因は、K・Tさんのあの間違った薬の飲み方にありました。そう、医師から「毎朝1錠、食後に飲んで下さい」と言われていたにも関わらず、ダイエットのためと朝食を抜いて薬を飲んでしまったのです。通常、胃に負担をかける薬は、食事をとり、胃の粘膜を保護してから飲む必要があります。しかし、K・Tさんは毎日、胃が空っぽの状態で薬を飲み続けたために、胃の粘膜を急速に傷つけてしまったのです。しかも、こんな危険な飲み方を毎日続けた結果、なんと1週間で、K・Tさんの胃には潰瘍ができ、出血を繰り返すようになったのです。そう、あのめまいや、息切れは、出血が増え、貧血気味になっていたのが原因。この病は空腹時に薬を飲んだからといって、誰もがなるわけではありません。しかし、いつ誰に起こるかわからないため、注意が必要なのです。幸い一命を取り留めたK・Tさん。その後は薬の用法を守り、健康回復。半年後、夫婦そろって念願のハワイへと旅立ったのです・・・。 |
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「間違った薬の飲み方で病気にならないためには?」 |
(1)薬は使用上の注意をきちんと読み、医師や薬剤師の指示を守って飲みましょう。
(2)それでこそ、薬は最大限の効果を発揮し、あなたを病から守ってくれるのです。 |
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『間違った薬の飲み方<3> 〜肝っ玉母さんの暴走〜』 |
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T・Hさん(女性)/58歳(発症当時) |
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青果店経営 |
商店街で青果店を営むT・Hさんは、明るく気さくで元気いっぱいの “下町の肝っ玉母さん”。ここ10年病気知らずで、健康診断を受けることもありませんでした。そんなある日、風邪をひいてしまったT・Hさん。春野菜の出荷が始まり忙しくなるこの時期、風邪をこじらせるわけにはいかないと、病院で診察を受けたところ、解熱鎮痛剤とうがい薬、細菌の感染を抑える抗菌剤を処方されました。ところが、翌日になっても熱が下がらないT・Hさん。一刻も早く治そうと、朝夕1日2回と指示された薬を、なんと1日3回毎食後飲むことにします。しかし、薬を飲み始めて3日目、彼女に奇妙な症状が起き始めます。 |
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(1)空腹感
(2)ボッーとする
(3)猛烈な不安感
(4)冷や汗
(5)昏睡状態 |
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低血糖症 |
<なぜ、風邪から低血糖症に?> |
「低血糖症」とは、血液の中の糖分が異常に低くなり、さまざまな異変が生じる状態のこと。
最悪の場合、T・Hさんのように昏睡状態に陥ってしまう、恐ろしい病です。でもなぜT・
Hさんは、低血糖症になってしまったのでしょうか?きっかけは、処方されたあの薬にあり
ました。細菌の感染を抑えるための「抗菌剤」です。この抗菌剤が血液中の糖分を急激に下
げ、T・Hさんの低血糖症を引き起こしたと考えられるのです。とはいえ、この薬は、風邪
や膀胱炎などの患者に普通に処方されている一般的な薬。誰もが低血糖症を引き起こすわけ
ではありません。実はT・Hさんの場合、ある致命的なミスが発病につながっていたのです。
それは・・健康診断も受けていないのに、勝手な思い込みで自分は健康だと信じていたこと。
そう、実はT・Hさん、知らない間に糖尿病の一歩手前、「糖尿病予備群」になっていたので
す。そうとは知らず、自分の健康を過信してしまったことこそ、彼女が犯した最大の過ち!
なぜなら、糖尿病予備群の患者はすい臓の機能が低下し、血糖をうまく調節できない状態に
なっています。それを知らずに抗菌剤を服用すると、すい臓が誤作動を起こし、大量のイン
スリンを分泌してしまうと考えられているのです。そんな状態にもかかわらず、T・Hさん
は更なるミスを犯してしまいます。それは、1日2回と指示された薬を勝手に3回に増やし
て服用したこと。この結果、より大量のインスリンがすい臓から分泌。血中に放出されて糖
分が一気に激減し、「空腹感」「ボーッとする」「急に不安になる」など典型的な低血糖の症状
に襲われたのです。そしてついに脳にまで糖分が行き渡らなくなり、昏睡状態に陥ってしま
ったのです。その後、病院で治療を受け、意識を取り戻したT・Hさん。今では“肝っ玉母
さん”完全復活です。実はこの病、多くのケースは糖尿病の患者が、一部の抗菌剤を飲んだ
ことで発症するというものでした。しかしその後、糖尿病予備群やそれ以外の人でも低血糖
になることが判明。その結果、厚生労働省は「緊急安全性情報」を出すよう指示し、糖尿病
患者への投与を禁止するとともに、それ以外の人にも注意を促したのです。もし万一、疑わ
しき症状が出た場合は、すぐ薬の服用を中止し、医師の診察を受けることが重要なのです。 |
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