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『本当は怖い夜更かし〜悪魔の目覚め〜』 |
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I・Mさん(女性)/34歳(発症当時) |
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OL(証券会社勤務) |
証券会社で働くI・Mさんは最近、長編の連続サスペンスドラマにはまり、寝るのはいつも深夜3時近く。さらに週末の夜になると、見たかったDVDを借りまくって見続け、その分、昼間はぐっすり、という昼夜逆転生活を送っていました。そんな生活を続けて半年が経ったある日、自分でも気づかないうちに寝過ごしてしまったI・Mさん。会社でも普段では考えられないミスを犯してしまいます。以来、朝なかなか起きられず、会社に来ても午前中はボーッとして仕事にならない日が続き、症状はさらにひどくなっていきました。 |
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(1)朝起きられない
(2)頭痛
(3)夜なかなか眠れない
(4)徹夜明けでも眠くならない
(5)うつ状態
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概日リズム睡眠障害(がいじつりずむ すいみんしょうがい) |
<なぜ、夜更かしから概日リズム睡眠障害に?> |
「概日リズム睡眠障害」とは、夜更かしなど、不規則な生活を続けることで、正常な睡眠が出来なくなってしまう病。最悪の場合、I・Mさんのように、「うつ状態」にまで追い込まれてしまうケースもあります。この病の発症には、人間が規則的な睡眠を続けるために欠かせない、ある脳内物質が大きく関わっています。それが、メラトニン。メラトニンとは、眠気を引き起こし、睡眠を促す作用を持つホルモンの一種。通常は夜暗くなると活発に分泌され、自然と眠りに落ち、朝日を浴びるとともに分泌が減り、活動できるようになります。ところがI・Mさんの場合、夜更かし生活によって、脳が誤作動を起こし、メラトニンの分泌リズムが徐々に遅く、ずれていきました。そこへ追い討ちをかけたのが、朝までDVDを観て、昼間寝るという週末の昼夜逆転生活。本来、メラトニンの出る夜に起き続け、昼間眠る。そして月曜の朝、無理矢理起きる。そんな生活を半年以上に渡って続けたI・Mさん。その結果、彼女のメラトニンの分泌リズムは、修正不可能なまでに破壊されてしまったのです。こうして、朝起きられない、夜眠れないといった症状が現れました。さらに、睡眠不足が自律神経の異常を引き起こし、あの頭痛という症状が。そしてついには、夜全く眠れなくなるまで病を悪化させてしまったのです。近年、テレビやパソコンなどの普及に伴い、ますます就寝時間が遅くなっている日本人。患者は増え続け、いまや日本人のおよそ5人に1人が何らかの睡眠障害を抱えているともいわれているのです。 |