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『本当は怖い頭痛〜忍び寄る黒い悪魔〜〜』 |
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M・Mさん(女性)/43歳(発症当時) |
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主婦 |
半年前、現在の夫・Tさん(46歳)とバツイチ同士で再婚、幸せな毎日を送っていたM・Mさん。そんな彼女の悩みは、夫の連れ子・娘のEちゃん(14歳)のこと。M・Mさんのことを母親として受け入れようとしないのです。そんな中、ある朝、頭痛と倦怠感を訴えだしたM・Mさん。新しい生活が何かと負担になっているのだろう…。夫のTさんは、そう妻の身を案じていましたが、異変はそれだけでは治まりませんでした。 |
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(1)頭痛
(2)倦怠感
(3)突然、怒り出す
(4)物忘れ
(5)無気力
(6)痙攣(けいれん) |
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髄膜腫(ずいまくしゅ) |
<なぜ、頭痛から髄膜腫に?> |
「髄膜腫」とは、脳を包んでいる髄膜という部分に腫瘍ができることで脳を圧迫する病。最悪の場合、死に至る事もある恐ろしい病です。なぜ髄膜腫が出来るのか、その原因は分かっていません。現在、年間およそ4000人の患者が発症、特に40代〜50代の女性に多いといわれています。この病の特徴は、腫瘍ができる場所によって、手足の痺れや、視力障害など様々な症状が現れること。そして、髄膜腫のおよそ4割は、前頭葉に出来るといわれ、M・Mさんの場合もまさにそうでした。そもそも前頭葉は、人間の感情や行動をコントロールする役割をしています。だからこそ、M・Mさんに現れた症状も、腫瘍が脳を圧迫しておきる頭痛と、感情が不安定になるというものでした。そう、前頭葉に腫瘍ができた場合、肉体的な症状よりも、精神的な症状が多く出るため、うつ病と診断されてしまうことがあるのです。これこそが…髄膜腫の落とし穴。そして最後の瞬間。気づかぬうちに成長を遂げた腫瘍は、脳の神経細胞の異常を引き起こし、M・Mさんは痙攣に見舞われてしまったのです。髄膜腫は、その多くが良性のため、早い段階で手術を受ければ、命を失う危険性はほとんどありません。だからこそ、たとえ「うつ」のように見えたとしても、それらの症状とともに、長引く頭痛を伴った場合は、髄膜腫の可能性も疑うことが大切なのです。幸い、M・Mさんは手術で一命を取り留め、順調に回復しました。 |