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『本当は怖いヘルシーな食事〜健康番組大好き主婦の悲劇〜』 |
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S・Aさん(女性)/40歳(発症当時) |
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主婦 |
ある日、健康番組で高血圧が万病の元と聞いた主婦のS・Aさん。デパートで試しに血圧を測ったところ、正常値より幾分高い数値が出てしまいました。心配になって高血圧のことを調べた彼女は、食生活を改善することで血圧を抑えられるはずと思い、血圧を抑える食事を実践。高血圧に良いとされる食材を買い求め、塩分控えめの食事を1カ月続けたところ、血圧は正常値まで下がっていました。それ以降も、ヘルシーな食生活を続けていたS・Aさん。ところが、4年の歳月が流れた頃、彼女の身体を新たな異変が襲うようになります。 |
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(1)血圧が高い
(2)疲れやすい
(3)立っているだけで疲れる
(4)異常な高血圧
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原発性アルドステロン症 |
<なぜ、ヘルシーな食事から原発性アルドステロン症に?> |
S・Aさんの命を奪った脳出血の原因は、あの高血圧。しかしその陰には、高血圧を引き起こした本当の病が隠れていました。その病の名は「原発性アルドステロン症」。腎臓の上部にある副腎に腫瘍が出来ることで、アルドステロンというホルモンの分泌に異常が起こり、高血圧となる病です。腫瘍が出来る原因は不明ですが、現在3500万人いる高血圧患者のうち、およそ5%がこの病であるといわれています。S・Aさんの高血圧も実は、この病が原因でした。副腎から大量に分泌されたアルドステロンの影響で、血液中のカリウムの量が減少し、糖分が増加。これが彼女の高血圧を引き起こしてしまったのです。そうとも知らないS・Aさんは、食事療法により血圧を抑えるよう心がけました。実は、これこそが大きな落とし穴!結果、一時的に血圧は下がりましたが、それが逆に隠れ蓑となってしまったのです。血圧が下がっても、腫瘍がなくなったわけではありません。次第に腫瘍は大きくなり、アルドステロンの分泌異常も加速。やがて食事による摂取だけでは、カリウムを補えない状態に。実はカリウムは筋肉の動きにも深く関わりがあるため、減りすぎると、筋力が低下。そのため、「疲れやすい」、「長時間立っていられない」などの症状を引き起こしてしまったのです。しかし、S・Aさんは、その疲れやすさを再び独自の判断で夏バテのせいだと思い込んでしまいました。その結果、血液中に増えたアルドステロンによって、ついには動脈硬化を引き起こしてしまったのです。そして、高血圧に耐えられなくなったS・Aさんの脳は、血管が破れ脳内に出血。彼女は帰らぬ人となってしまいました。確かに、減塩やヘルシーな食事をすることは高血圧に有効です。しかし、それを過信するのは禁物。たとえ食事療法によって一時的に血圧が下がっても、それで安心せず、定期的に血圧を測る。それこそがこの病からあなたの身を守る術なのです。 |