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『本当は怖いのどの痛み~愛情の裏返し~』 |
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K・Kさん(女性)/50歳(発症当時) |
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主婦(パート勤務) |
息子も独立し、夫と2人きりの生活の淋しさから室内犬を衝動買いしたK・Kさん。夫が犬嫌いのため、自分の寝室にゲージを設置して飼うことにした彼女は、専門書と首っ引きで愛犬ハッピーのしつけに熱中。8ヵ月後、ハッピーも成長しトイレも覚えたため、ゲージから出して自分の部屋で放し飼いにすることにしました。ところが、その1ヵ月後、ハッピーと散歩していると、K・Kさんは突然、のどにいがらっぽい痛みを感じるようになります。さらに、異変はそれだけに止まらず、それから様々な症状が起こり始めました。 |
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(1)のどがいがらっぽい
(2)痰がからむ咳
(3)激しい咳
(4)高熱
(5)血痰 |
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パスツレラ症 |
<なぜ、のどの痛みからパスツレラ症に?> |
「パスツレラ症」とは、犬や猫などのペットが持つパスツレラ菌が、何らかの理由で人に感染し、皮膚の化膿や様々な炎症を引き起こす恐ろしい病です。現在、日本では年間3000人以上がこの病を発症していると言われています。では、どんな経路で、この菌が人に感染するのでしょうか?実は、犬の75%、猫の97%が、口や爪にパスツレラ菌を保有しており、噛まれたり、引っ掻かれることで感染してしまうのです。中でも最も多い感染ルートは、「ペットとキスをする」、「口をなめさせる」などの直接感染だと言われています。では、あれだけ愛犬ハッピーをしっかりしつけていたK・Kさんは、どのようにして感染したのでしょうか?彼女が犯した最大の過ち、それはハッピーを寝室で放し飼いにしてしまったこと。確かにK・Kさんの目の届くところでは、しつけられた通り行儀の良いハッピーですが、彼女が寝入った後、K・Kさんの口を舐めるなどの行動をとっていたのです。その結果、K・Kさんはパスツレラ症に感染。のどの痛みや咳などの症状を感じ始めました。通常は、この時点で免疫細胞がパスツレラ菌を攻撃。これ以上の大事に至ることはありません。でも彼女の場合、パートに出続けるなど無理を重ね、免疫機能が著しく低下。ついには、退治されなかったパスツレラ菌が肺まで達し、重い肺炎を引き起こしてしまったのです。 |