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『本当は怖い頭痛~24時間後の悲劇~』 |
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N・Yさん(女性)/60歳(発症当時) |
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主婦 |
娘から脳のトレーニングに役立つと聞いて、パズルにハマっていたN・Yさん。その日も深夜まで熱中していたところ、突然目の奥がジーンと重くなる頭痛に見舞われました。もともと遠視の上、ここ数年老眼も進んでいた彼女。目を使いすぎたせいかと思って休んでみると、まもなく頭痛は治まり、ひと安心。しかし、その頭痛こそわずか24時間後に迎える悲劇の幕開けに他なりませんでした。 |
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(1)目の奥が重くなる頭痛
(2)眉間が痛む
(3)目がかすむ
(4)激しい頭痛と吐き気
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閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう) |
<なぜ、頭痛から閉塞隅角緑内障に?> |
「閉塞隅角緑内障」とは、眼球内の圧力が高くなって視神経が障害を受け、視野が欠けてしまうという緑内障の一種。緑内障の中でも2番目に多く、現在およそ80万人の患者がいると考えられています。この病気の大きな特徴は、何年もかけゆっくり悪化する通常の緑内障と違って進行が非常に早く、最悪の場合、1日以内で失明してしまうこともある急性の緑内障ということ。残念ながら、発病の原因はまだわかっていません。ただ、40歳を越えると発症しやすく、50歳以上の女性に最も患者数が多いのです。また、遠視もその危険因子の一つと考えられています。さらに、病名にもなっている眼球の一部「隅角」の隙間が普通の人より狭い人が、発症しやすいことが明らかになっています。この「隅角」の状態は眼科で目の検診を受ければ、誰でも簡単に分かります。しかしもう一つ、この病には恐るべき特徴が!それは多くの場合、何の前触れもなく、決定的な異変が起きてしまうということ。しかし、一方でN・Yさんのように前触れ症状が起きるケースもあるので、そのサインを見逃さないことも大切なのです。最初にN・Yさんを襲った軽い頭痛や目のかすみといった異変は、元々狭かった「隅角」の隙間が、なんらかの原因で一時的に閉鎖。眼球のなかを流れる液体が排出されず、眼圧が上昇。視神経を圧迫して、起きたものでした。そして最後の瞬間…「隅角」は完全に密着。眼圧は急上昇し、視神経だけでなく自律神経にも影響を及ぼしました。それこそが、彼女を襲った猛烈な頭痛と吐き気の原因だったのです。幸い、処置が早かったため、N・Yさんの右目の視力は回復。失明を免れることが出来ました。しかし多くの場合、何の前触れもなく発症し、視力を奪い去っていく閉塞隅角緑内障。だからこそ、40歳を過ぎたら年に一度、眼科で定期健診を受診するよう、おすすめします。自分の目の状態を知ることでこの病気にかかりやすいかどうかは、すぐに判るのですから。 |