 |
『本当は怖い腰痛~恐怖の2大症例~』 |
 |
T・Kさん(男性)/35歳(発症当時) |
 |
花屋 |
商店街で花屋を営むT・Kさん(60歳・女性)と、一人息子のKさん(35歳・男性)。二人は親子揃って腰痛持ちでしたが、その痛みには微妙な違いがありました。母親のT・Kさんが腰に痛みを感じるのは身体を後ろに反らした時。一方、息子のKさんは前かがみのまま長く座っていると痛みます。二人の腰の痛みは2大腰痛病につながる危険な腰痛でした。
病魔がまず狙いを定めたのは、前かがみになると腰が痛む息子のKさんの方でした。ある日、花を取ろうと腰をかがめた時、腰にピリッとした痛みを感じたKさん。立ち上がると痛みは和らいだため特に気にも止めませんでしたが、その後も腰の異変は続きました。 |
 |
(1)前かがみを続けると腰が痛い
(2)腰にピリッとした痛みが走る
(3)寝ていても腰が痛い
(4)膝下から足の甲が響くようにしびれる
(5)腰から足にかけての激痛 |
|
腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんヘルニア) |
<なぜ、前かがみを続けると痛む腰痛から腰椎椎間板ヘルニアに?> |
腰椎とは、背骨のいちばん下、腰のあたりの骨のこと。そこで骨と骨のクッションの役割をしているのが椎間板です。その中の髄核と呼ばれるゼリー状の物が外に飛び出し、神経を圧迫。痛みを引き起こすのが、「腰椎椎間板ヘルニア」。特に、30代40代の働き盛りに多いと言われています。では、なぜKさんは「腰椎椎間板ヘルニア」になってしまったのでしょうか?この病を引き起こす原因は、主に3つ。一つは、誰もが避けることのできない「老化」。実は、椎間板の老化が始まる年齢は、なんと18歳。35歳のKさんの椎間板は弾力性を失い、硬くなり始めていました。そんな状態で日々重い物を運んでいたKさん。この2つ目の危険因子によって椎間板は、常に強い圧迫を受け、内圧が高まっていったのです。そこに追い討ちをかけたのが、「姿勢の悪さ」。毎日パソコンに向かい前かがみの姿勢を続けたことで、Kさんの椎間板は、不自然な形で押し潰され髄核が変形。前かがみの姿勢を取る度に神経にあたり、腰痛が起きていたのです。これこそが前かがみになったときの腰の痛みの原因。そんな状態にもかかわらず、さらに重いものを持ったKさん。ついに、髄核の一部が椎間板の外にはみ出し神経を圧迫。足のしびれをもたらしました。これこそが「腰椎椎間板ヘルニア」の最も特徴的な症状なのです。そしてついに、最後の瞬間が訪れます。あれこそ、髄核がじん帯までも突き破った瞬間だったのです。すぐさま緊急手術を行ったKさん。手術は成功し、仕事に復帰することができました。 |