診察室
診察日:2007年1月9日
テーマ:「もう手術は怖くない!あなたを救う最新医療&
漢方で体質改善!身体の悩みを一気に解決スペシャル」

『脳動脈瘤症例』
『不定愁訴症例』

『脳動脈瘤症例』

S・Yさん(男性)/40歳(発症当時) 会社員
会社員のS・Yさんは、2人の子供を持つ一家の大黒柱。周囲の勧めもあり、40歳を迎えたことを期に、初めて人間ドックを受けました。この際だからと、オプションの脳ドックも申し込み、体の隅々まで徹底的に調べてもらったのです。結果はおおむね良好で、ほっと胸をなでおろしたS・Yさん。ところが、脳外科の医師から、頭部に7ミリ程の脳動脈瘤が見つかったことを告げられます。
なし
脳動脈瘤
<脳動脈瘤とは?>
「脳動脈瘤」とは、脳の動脈が血流の影響で弱くなり、膨らんでコブのようになってしまうこと。大きさの大小はあれ、成人ならおよそ100人に1人の割合で発症すると言われています。このコブの部分は、正常な血管に比べ、薄く破れやすい状態になっています。そのため、ちょっとした血圧の上昇でも破裂しやすく、年間1万人以上が命を落とす「くも膜下出血」の大きな原因となっているのです。人間ドックで「脳動脈瘤」という危険な爆弾が見つかってしまったS・Yさん。医師によれば、脳動脈瘤がある人のうち、それが破裂するのは年間1%前後。ただし、それはあくまで数字上の話で、例え1%でも破裂する人もいれば、破裂しないまま一生を終える人も大勢いるとのこと。S・Yさんの脳動脈瘤は7ミリと決して小さくはない上、40歳という年齢も考え、医師は手術を勧めました。調べたところ、脳動脈瘤の破裂による「くも膜下出血」が起こった場合、3分の1が死亡、3分の1には重い後遺障害が残ることを知ったS・Yさん。しかも脳動脈瘤手術の主流は、頭を開いて動脈瘤をクリップで止めるクリッピング手術という方法。これまで手術というものを一切受けたことがないS・Yさんには、開頭手術は病以上の恐怖でした。当初は手術せずに済むものなら、やっぱりしたくないと願いましたが、家族のことも考え、最終的には手術を決意。4時間にも及ぶ大手術の末、脳動脈瘤の破裂という恐怖から解き放たれたのです。
<脳動脈瘤の破裂を防ぐ最新治療>
10年前、欧米から導入された「コイル塞栓術」。頭を切り開く必要がないため、患者の身体 への負担を減らすことが出来ます。しかし、日本ではまだ治療できる医師の数が少ないため、脳動脈瘤手術のうち、まだ2割程度しか普及していません。
<コイル塞栓術とは?>
コイル塞栓術とは、足の付け根の血管からカテーテルを挿入。頭の血管まで到達させたそのカテーテルを通じて、細いプラチナ製のコイルを動脈瘤に送り込み、その内部に詰めるという治療法です。こうすることで動脈瘤の内部に残った血液はコイル周辺で固まり、瘤の中に血液が入らなくなります。そのため破裂の危険性がなくなるのです。番組にご登場頂いた神戸市立中央市民病院の坂井信幸先生は、日本におけるコイル塞栓術の第一人者です。
<注射だけでガンを抑える最新治療>
岡山大学医学部付属病院、遺伝子・細胞治療センターの藤原俊義先生が開発したのは、「テロメライシン」という新しいガンの治療薬です。「テロメライシン」とは風邪の原因になるウィルスの遺伝子を改変したもので、ガン細胞の中だけで増えてガン細胞を破壊することが出来ます。テロメライシンは、正常な細胞は傷つけないので副作用が少ないのが特徴。テロメライシンをガン患部に直接注射で注入すると、ガン細胞の中で一気に増殖。これがガン細胞を攻撃し、次々と破壊していくという仕組みなのです。現在はアメリカでこの薬の治験がやっと始まった段階、まさに夢の最新医療「テロメライシン」。注射だけでガンを抑えることが出来る日まで、あと何十年・・・?
『不定愁訴症例』
K・Nさん(女性)/54歳 専業主婦
長年に渡って、原因不明のだるさや冷えなどの症状に悩まされてきたK・Nさん。 しかし、漢方と出会ったことで症状は一気に改善したのです。
(1)身体がだるい
(2)手足の冷える
血(おけつ)=血が滞る体質
<なぜ、漢方で身体の不調が改善したのか?>
いったい何故、K・Nさんの体の不調は漢方と出会ったことで改善されたのでしょうか?実は病の原因を特定して治療を行う西洋医学では、K・Nさんのように検査で異常がない場合、対応が難しいのが実状なのです。一方、漢方ではたとえ原因がはっきりしなくても、患者が症状を訴えれば、それを「未病」、つまり病気の一歩手前と考え、治療の対象としています。そして、その治療の最大の目的は「体質改善」。漢方薬は症状を取り除くために、その症状を生み出す体質そのものを改善します。だからこそ、不調の原因を見極め、その患者に最適な漢方薬を200種類以上ある中から選び処方するのです。これが漢方はオーダーメイド医療と言われるゆえん。K・Nさんの場合も、だるさや冷えの原因となっていた血が滞る体質が、漢方薬によって血が流れる体質に改善されたため、症状が治まったのです。
<漢方の診察法>
日本有数の漢方外来の医療施設、北里研究所・東洋医学総合研究所の場合。
(1)望診・・・席に着くまでのわずかな時間で体格、顔色、肌のつやなどを観察し、
        健康状態をチェック。
(2)問診・・・患者が事前に書いた200項目の問診アンケートで、患者の症状・体質などをチェック。
(3)脈診・・・両手首に数秒触れることで様々な脈の状態を確認。28種類の脈のタイプから、
患者の身体の状態を読み取る。
(4)舌診・・・色や形、苔の違いなどから患者の舌のタイプをわずか数秒で判別し、
        身体の状態を読み取る。
(5)腹診・・・お腹を押した場所、痛み方、さらに音、その微妙な違いによって腹診にも20近くの パターンがある。直接、患者の身体に触れることで身体の状態を探る。


この5つが漢方診断の基本。かかる時間は、初診でわずか20分。しかし、この20分間で医師は多種多様なパターンの組み合わせの中から、患者の「体質」と「身体の問題のある場所」を読み取っていきます。この2つを見極めることで症状の原因を特定するのです。
漢方食材を使った健康料理