 |
『本当は怖い痩せの大食い~食後の安楽~』 |
 |
O・Yさん(女性)/43歳(発症当時) |
 |
専業主婦 |
専業主婦のO・Yさんは、いわゆる「痩せの大食い」。3年前から食べ歩いたランチのことを自身のブログに書いて、密かな人気を集めていました。そんなある日、ランチ帰りに階段を少し上っただけで息切れを感じたO・Yさん。年のせいで体力が落ちたのかと思ったものの、毎年の健康診断では異常がないため、特に心配はしていませんでした。しかし、そんな彼女をあざ笑うかのように、さらなる異変が襲いかかります。 |
 |
(1)息切れ
(2)胸を刺すような痛み
(3)胸が締め付けられるような痛み
(4)心臓を鷲づかみされるような痛み |
|
隠れ糖尿病 |
<なぜ、痩せの大食いから隠れ糖尿病に?> |
毎年健康診断を受け、特に問題はなかったはずのO・Yさん。そんな彼女がなぜ、突然心筋梗塞に襲われてしまったのでしょうか?そこには検査の目をすり抜けて暗躍する、もう一つの恐ろしい病が存在していました。「隠れ糖尿病」です。「隠れ糖尿病」とは、通常の健康診断では見つけることの出来ない糖尿病のこと。では、なぜ健康診断で見つけることが出来ないのでしょうか?そもそも食事をすると食べた分だけ血液中の糖分が増加します。すると、すぐにすい臓からインスリンが分泌。その糖分を脂肪やエネルギーに変えるのです。しかし、一般的な糖尿病患者の場合、すい臓が疲弊しているため、インスリンが少ししか出ません。そのため食後、血液内に増えた糖分をエネルギーに変えることができず、常に血糖値が高い状態が続きます。だからこそ、一般的な糖尿病は健康診断で発見されやすいのです。隠れ糖尿病の場合も食後インスリンが少量しか出ないのは、通常の糖尿病と同じ。血糖値も高い状態です。しかし、決定的に違うのは、隠れ糖尿病の場合、インスリンの出が悪いのは食後のみという点。時間とともにインスリンは出始め、およそ2時間後には、血糖値は正常値に戻り始めるのです。つまり血糖値が危険なほど高くなるのは、食後の2時間のみ。1日3食として、6時間。そう、隠れ糖尿病とは1日わずか6時間ほど患う糖尿病なのです。では、なぜその6時間を健康診断で見つけられないのでしょうか?実は通常の血液検査は空腹時に行います。それは人それぞれ食事内容などが違うため食べた物で、検査結果に違いが出るのを防ぐためです。だからこそ食後2時間だけ現れる隠れ糖尿病は、通常の健康診断では発見されづらいのです。こうしてO・Yさんは、自分が隠れ糖尿病だとは気付かないまま、1日6時間の高血糖を放置。その間、心臓の冠状動脈に溢れ返った糖分が血管内を傷め続けていました。その結果、体内では静かに動脈硬化が進み、ついには心筋梗塞を起こしてしまったのです・・・。この隠れ糖尿病には、その標的となりやすいタイプがあります。それが「痩せの大食い」。実は痩せの大食いの人は、インスリンの出が悪い人が多いというデータがあり、隠れ糖尿病になる危険性は、太っている人よりも高いといわれています。そして、現在の糖尿病患者740万人のうち、なんと4割が隠れ糖尿病だといわれているのです。 |