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『本当は怖い風邪のような症状~下痢~』 |
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Y・Mさん(女性)/35歳(発症当時) |
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建築デザイナー |
弱冠35歳にして会社のチーフデザイナーに昇り詰めたY・Mさん。社運をかけたプロジェクトを任され、忙しい日々を送っていました。そんな彼女の楽しみは、週に一度の夫との外食。大好物を思い切り食べることが、エネルギー源だったのです。急に冷え込んだ冬の朝、微熱と腹痛、下痢に襲われ、風邪を引いたと思ったY・Mさん。風邪薬を飲んで会社に出かけたところ、午後には熱も下がり症状はほとんどなくなりました。ところが、下痢を初めとする風邪のような症状はその後も続いたのです。 |
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(1)微熱
(2)腹痛と下痢
(3)下痢の回数が増える
(4)吐き気 |
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クローン病 |
<なぜ、風邪のような症状からクローン病に?> |
「クローン病」とは、口から胃腸、肛門に至るまであらゆる消化器官に炎症が起き、潰瘍が出来てしまう病。厚生労働省から難病に指定されています。クローン病で死亡するケースは稀ですが、肉類を食べてはいけないなど厳しい食事制限をしなければなりません。最悪の場合、口から一切食事が摂れなくなってしまうこともあるのです。クローン病が発症するメカニズムは明らかではありませんが、本来体を守るはずの免疫細胞が、肉類などの脂っこい食事を頻繁にとることがきっかけで暴走。消化器官を攻撃し、潰瘍が出来ると考えられています。食事の欧米化が進むにつれ患者数も増加。2004年には2万3000人に達するなど、今、最も急増している病の一つなのです。この病が恐ろしいのは、症状が風邪と似ているところ。しかも、その症状は「微熱」、「腹痛」、「下痢」と軽いため、病院に行かずに治そうとしてしまう人が多いのです。ではどこに気をつければ良いのでしょうか?この病を早期発見する大きな手掛かりは「症状が出続ける期間」。風邪からくる下痢は、2週間以上続くことはまずありません。つまり下痢などの症状が2週間以上続いたなら、クローン病など別の病気を疑った方が良いのです。クローン病は早期に発見出来れば、それだけ食事制限も少なくて済むといいます。だからこそ2週間という段階で病に気づくことが何よりも大切なのです。 |