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『本当は怖い耳鳴り〜魔の洪水注意報〜』 |
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T・Aさん(女性)/40歳(発症当時) |
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主婦 |
夫の仕事の都合で郊外に引っ越してきたT・Aさん。息子が通う小学校のPTAに出席したところ、次の学校新聞の編集責任者を任されることに。真面目な性格のT・Aさんは子供が肩身の狭い思いをしないようにと張り切りますが、その時、遠くで汽笛が鳴っているような耳鳴りを感じます。それ以来、学校新聞のことが頭から離れないT・Aさん。近づいてくる締め切りに焦りを感じ始めていましたが、その後も気になる症状が続きました。 |
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(1)低い音の耳鳴り
(2)耳が詰まったような感じがする
(3)強いめまい
(4)吐き気
(5)再び強いめまい |
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メニエール病 |
<なぜ、耳鳴りからメニエール病に?> |
「メニエール病」とは何らかの原因により、耳の中の器官が異常を来たし、様々な症状を引き起こす病です。最悪の場合、耳鳴りや難聴などの後遺症が一生残る場合も。そのため厚生労働省により、難病指定されているのです。現在、患者数は、およそ2万4000人。特に多いのは30代から50代にかけての患者です。実はこの年齢層にこそ病の原因は隠されていました。それは…ストレス。この病は、働き盛りで仕事などのストレスを多く受けている人が発症しやすいと言われています。そもそも私たちの耳の中は、外側から外耳、中耳、内耳と分かれています。強いストレスから病を発症すると、蝸牛(かぎゅう)という音の信号を脳に伝える部分に異常が発生。ストレスがかかるたびに、中のリンパ液が異常に増えてしまうと考えられています。T・Aさんの場合も、ストレスにより蝸牛のリンパ液が増加。音を伝える神経を圧迫し、耳鳴りや耳の詰まりが起きたのです。しかし、ストレスが解消されるとリンパ液は自然に減少、普段の状態に戻ります。T・Aさんの場合も、ストレスのかからない家では、耳鳴りなどの異常がなかったため、安心してしまったのです。これこそ、メニエール病の落とし穴。そんな事を繰り返すうちに、次第に症状が重くなっていくのが、この病の特徴なのです。そして、T・Aさんが感じた強いストレスで、リンパ液はさらに増加。ついにライスネル膜と呼ばれる膜を突き破り、成分が変化。そして、蝸牛の隣にあるバランスを司る三半規管が刺激され、吐き気と激しいめまいを引き起こしたのです。現在、T・Aさんは耳鳴りの後遺症が残ったため、投薬治療を受けながら、メニエール病の根本的な原因であるストレスを避ける指導を受けています。メニエール病は進行性の病のため、発見が早いほど、治る確率は高くなると言われているのです。 |