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『本当は怖い手のしびれ〜消える悪魔〜』 |
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K・Hさん(女性)/35歳(発症当時) |
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OL |
同じ課に配属された10歳年下の後輩に猛アタックし、見事、結婚へとこぎつけたK・Hさん。その数日後、残業に励んでいた彼女は、なぜか右手の指先にしびれを感じました。しびれは生活に支障をきたすほどではなく、1週間後にはすっかり治まったK・Hさん。しかし、ある日、入浴中に再び右手がしびれ、今度は感覚が鈍くなっている気がしました。湯上がりの身体の火照りが冷めていくと同時に、手のしびれも治まりましたが、その後も更なる症状が彼女を襲います。 |
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(1)手のしびれ
(2)手がしびれ、感覚がにぶる
(3)右目の視界がぼやける
(4)両足のひどい疲労感
(5)膝下の感覚が無くなる |
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多発性硬化症 |
<なぜ、手のしびれから多発性硬化症に?> |
「多発性硬化症」とは、厚生労働省で難病に指定されている病。1970年以来、増加の一途を辿り、現在、日本に約1万2千人の患者がいるといわれています。また、25歳から35歳で発病することが多く、女性の患者数は男性の約2倍といわれています。詳しいメカニズムは分かっていませんが、通常外敵から身を守るはずの免疫が、何らかの原因で突如暴走。脳や脊髄などの神経を覆う皮膜を破壊。体の各部分への情報伝達に支障をきたし、様々な症状を引き起こしてしまうのです。発症の引き金として現在考えられているのは、主に風邪などの感染症と、強いストレス。K・Hさんもこの条件に当てはまっていました。彼女の場合、1人で何から何まで準備をしたあの結婚式をきっかけに、急激な生活環境の変化がストレスとなり、免疫力が低下。そして軽い感染症をきっかけに、病を引き起こしたと考えられます。この病は、早期のうちは小さな症状が現れては消えるのを繰り返すことが多いのが特徴。K・Hさんを襲った多発性硬化症の典型的な初期症状が、「視界のぼやけ」と「手のしびれ」。どちらも1週間から2週間で消えてしまったため、彼女は病の存在に気付けませんでした。しかし、症状は無くとも病は彼女の体の奥に潜み続け、1年後、再び現れた時には、「両足の疲労感」と「膝下の麻痺」という重篤な症状を突然もたらしたのです。では、この病に気付くためには、どうしたらいいのでしょうか?実は早期発見のポイントは、K・Hさんの身にも起きていました。それが…あのお風呂での手のしびれ。実はこの病にかかると、お風呂などで体温が上昇した際、脳内の信号伝達に使われる電気信号が不安定になります。すると、正確な情報が身体の各所に伝わらなくなり、一時的に症状が現れることが多いのです。これこそ多発性硬化症の最大の特徴。手のしびれ、視界のぼやけなどが、お風呂に入った時に出たら、この病を疑うことが重要なのです。その後、K・Hさんは薬による治療を続け、幸い生活には差し支えがないほどにまで回復を遂げています。 |