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『第3の認知症・レビー小体型認知症』 |
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S・Sさん(女性)/62歳(発症当時) |
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無職 |
昔から花を育てることが大好きな元小学校の教師S・Sさん。第二の人生を静かに送る彼女にとって一番の楽しみは、かつて担任を務めたクラスの同窓会。教え子たちの元気な姿を見るのが何よりの喜びでした。しかし、彼女にはこの頃、真夜中に怖い夢を見て突然大声を出してしまう悩みがありました。所詮は夢と特に気にすることもなかったS・Sさん。ところが、それから4年、新たな異変が始まります。 |
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(1)子供が見える
(2)再び子供が見える
(3)物が人に見えると言い張る
(4)娘を他人と間違える |
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レビー小体型認知症 |
<なぜ、第3の認知症・レビー小体型認知症に?> |
最近の研究で実態が明らかになるにつれ、これまで別の病だと診断されていた患者さんが、「レビー小体型認知症」と判明するケースが急増。将来の患者数は、認知症全体で2番目に多くなると言われています。「レビー小体型認知症」は、脳の神経細胞に異常なタンパク質がたまり、レビー小体という構造物ができることで発症します。すると、視覚を司る後頭葉の視覚野に異常をきたし、様々な視覚認知障害が現れてしまうのです。そうなると、居ないはずの人が見える幻視や、物が人に見えたりする錯視など典型的な症状が出始めてしまいます。しかもやっかいなことに、自分では正しく見えていると思い込んでいるため、本人は気付くことができないのです。さらに、この病にはもう一つ落し穴が。視覚認知障害は、日によって良くなったり悪くなったりするため、発見が遅れてしまうことがあるのです。「レビー小体型認知症」は、一度発症したら急速に病が進行するのが特徴。視覚認知障害に続き、放っておくと、記憶障害、パーキンソン症状など様々な症状に発展。最悪の場合、数年で寝たきりになり、死に至ることもあるのです。「レビー小体型認知症」は残念ながら、現代の医学では完治することが出来ません。しかし、早期に発見し投薬治療を行えば、病の急速な進行を遅らせることは可能なのです。 |