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<鉄欠乏性貧血の恐怖!> |
貧血のうち、9割という圧倒的多数を占めるのが「鉄欠乏性貧血」。
「鉄欠乏性貧血」とは、ヘモグロビンを作る材料の一つ、“鉄分”が不足することで起こる貧血のこと。では一体なぜ、鉄分は不足し、貧血を引き起こしてしまうのでしょうか?そもそも体重50kgの成人女性の場合、体内に存在する鉄分量は、およそ2000mg。そのうち3分の2にあたる、およそ1300mgが、血液で全身に運ばれ、酸素を供給するなどの働きをしています。そして残りの3分の1は、肝臓などに「貯蔵鉄」として蓄えられています。このうち、私たちは毎日1mg程度を汗や尿とともに排泄する一方で、食事によって、ほぼ同量の鉄を吸収。こうして、バランスが保たれているのです。
ところが女性の場合、大きな落とし穴が。
それは、毎月の生理による出血。この出血によって、平均15mgの鉄分が失われてしまうのです。そのため普通に食べるだけでは鉄分の補給が追いつかず、血液中の鉄分は少しずつ減少していくことに。この時、足りなくなった鉄分を補ってくれるのが、肝臓などに蓄えられた“貯蔵鉄”。血液中の鉄分が減っても、貯蔵鉄が放出されるため、すぐに貧血の症状が現れることはありません。このように貯蔵鉄を使ってやりくりしている状態を「隠れ貧血」、つまり「貧血予備軍」といいます。そしていま、女性の2人に1人が、この貧血予備軍の状態にあるといわれています。とはいえ本当に恐ろしいのは、この貯蔵鉄をすべて使い果たしてしまった時。体内の様々な場所で、酸素が不足し始め、立ちくらみや、動悸・息切れなどの貧血症状が現われ始めます。さらに貧血が進むと、爪がもろくなりスプーン状に反り返ってしまうことも。そして、大量の氷を無性に食べたくなる「氷食症」や、土・チョーク・炭・紙などを食べてしまう「異食症」という異常行動まで引き起こしてしまうのです。では一体、どうすれば貧血にならずにすむのでしょうか?
キーワードは、食生活の改善。ちなみに厚生労働省が推奨している鉄分摂取量は、男性7.5mg女性 10.5mg。しかし実際の摂取量をみると、なんと女性の場合3.4mgも不足しているのです。 |
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