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『本当は怖い顔のむくみ~満たされた女~』 |
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M・Kさん(女性)/34歳 |
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派遣社員 |
コンピューター関連の会社で働く派遣スタッフのM・Kさんは、アフターファイブに同僚と思いっきり飲んで食べるのが楽しみ。飲み過ぎた翌朝は、まぶたの辺りがむくむものの、昼過ぎになるといつもすっかり元通りに戻っていました。ところが1週間後、前日は飲み会もなく早めに帰宅したはずなのに、顔がむくみ、昼過ぎになってもむくみが取れなかったM・Kさん。その後も、顔以外のむくみや、体重の増加など、様々な異変が続きました。 |
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(1)原因不明の顔のむくみ
(2)顔以外のむくみ
(3)体重の増加
(4)急激な体重の増加
(5)疲労感 |
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ネフローゼ症候群 |
<なぜ、顔のむくみからネフローゼ症候群に?> |
「ネフローゼ症候群」とは、何らかの原因で腎臓の機能が異常をきたし、血液中の水分をコントロールするタンパク質が、尿として排泄され減少する病気。その結果、体内にどんどん水分が溜まり、最悪の場合、死に至ることもある病です。最も多く発症する世代は、10代から30代。患者数は毎年増加し続けています。はっきりとした原因はまだわかっていませんが、花粉症など、アレルギー体質の人に多いと言われています。そんなネフローゼ症候群の典型的な症状が、「むくみ」。では、普通のむくみと、どう違うのでしょうか?そもそもむくみとは、血液中の水分が外の細胞間に染み出し、その部分が膨れ上がってしまうこと。一般的には、疲労や睡眠不足、アルコール、水分・塩分の摂りすぎによって起きるもので、一過性のもの。時間が経つと、血管中の水分量を調整するたんぱく質が働き、次第に元通りになります。ところが、ネフローゼ症候群になると、その重要な役割を持つたんぱく質が尿に漏れ出し、減少。そのため、通常なら血管内に戻る水分が戻れなくなり、むくみが取れなくなるのです。M・Kさんの原因不明のむくみも、まさにこれ。しかし彼女は、いつものむくみと勘違いし、放っておいてしまいました。その結果、水分が血管の外に絶え間なく染み出し、血管に戻ることなく、一方的に体内に溜まっていってしまったのです。そして、3日で3キロ以上も体重が増えてしまいました。これこそが、ネフローゼ症候群を見極める重要なポイント。原因不明のむくみ、体重の急増などは、危険を知らせるサインだったのです。その後、さらに水分が失われ続け、血液の量が減少したM・Kさん。その結果、ひどい低血圧となり、激しい疲労感に襲われたのです。M・Kさんは、2ヵ月にわたる入院治療の結果、ようやく職場に復帰することができました。現在、ネフローゼ症候群の危険因子として考えられているのは、国民の3人に1人がかかっているといわれる花粉症などのアレルギー疾患。なんらかのアレルギーを持っている人は、より注意が必要なのです。 |