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『本当は怖い歯周病〜魔のツイスター〜』 |
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I・Eさん(女性)/55歳 |
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主婦 |
友人とのランチが趣味という主婦、I・Eさんは、最近ちょっと太り気味。美味しいものは食べたいけど痩せたいと願う彼女のもう一つの悩みは、歯を磨くと必ず血が出ることでした。そんなある日、少しは身体にいいことをしようとフラダンスを習い始めたI・Eさん。ところが、それから間もなく、なぜか頻繁に尿意を覚えるように。年のせいと片付けていたI・Eさんですが、その後も次々と気になる異変が現れました。 |
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(1)頻尿
(2)喉の渇き
(3)食べ物が歯に挟まる
(4)こむら返り
(5)歯磨きしてないのに歯茎から出血
(6)強い倦怠感 |
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歯周病 ⇒ 糖尿病 |
<なぜ、歯周病から糖尿病に?> |
糖尿病」とは、何らかの原因によって血液中の糖分をエネルギーに変えるインスリンという物質の働きが低下し、血液中に糖分が溢れてしまう病。現在、日本での患者数は、予備軍を含めると1600万人以上に及ぶ国民病の一つです。主な原因と考えられているのは、高カロリーの食事や運動不足による肥満など。I・Eさんも、自分を健康だと信じて肥満状態を放置。その結果、血糖値は上がり続け、軽い糖尿病の域に達していたのです。とはいえ、彼女の糖尿病は、まだ症状もない、ごく初期のものでした。それがなぜ、たった半年で緊急入院するほど病状を悪化させてしまったのでしょうか?この謎を解く鍵こそ、「歯周病」に隠されていました。実は歯周病が糖尿病を悪化させることが、近年の研究で明らかになってきたのです。それだけではありません。糖尿病が悪化すると、今度は歯周病も悪化してしまうのです。I・Eさんを襲った「頻尿」や「喉の渇き」といった症状は、糖尿病の悪化によるもの。その後起きた「食べ物が歯に挟まる」という症状は、歯周病が悪化したもの。この2つの病は、お互いを悪化させていくという恐怖のスパイラルを作り出すのです。では一体なぜ、お互いが悪化してしまうのでしょうか?歯周ポケットに歯周病菌がたまると、免疫細胞である白血球が菌を退治しに集まってきます。この時、白血球が歯周病菌の出す毒素に触れることで、ある物質を放出するのです。その物質こそ、TNF-αと呼ばれるもの。そしてこのTNF-αには、なんと血液中のインスリンの働きを妨げてしまう作用があるのです。つまり、I・Eさんのように、歯周病でTNF-αを多く放出している場合、インスリンの働きが低下し、糖尿病が一気に進行してしまう場合があるのです。そして糖尿病が進行すると、当然、血糖値が高くなります。そうなると今度は、歯茎の毛細血管の血流が悪化。血液が行き渡らず、歯周病菌を退治できなくなってしまうのです。こうして歯周病による歯茎の炎症が悪化するにつれて、さらにTNF-αが多く放出され、糖尿病もますます悪化。この悪循環を繰り返し、ついにわずか半年でI・Eさんは、重度の糖尿病に倒れてしまったのです。 |