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『本当は怖い倦怠感〜恐怖のスパイラル〜』 |
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O・Tさん(男性)/41歳 |
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サラリーマン |
この春、念願の一戸建てを郊外に購入し、引っ越してきたO・Tさん。10年来のスギ花粉アレルギーに悩まされてきた彼は、花粉が飛ぶ時期は完全防備で乗り切っていました。5月に入り、ようやく悩ましい季節から抜け出したと思っていましたが、それからまもなくして、なぜか身体のだるさに襲われます。数日後、だるさもすっかり取れたO・Tさんは、お気に入りの河川敷を通って元気に出勤しますが、会社に着くとなぜか突然くしゃみや鼻水が出て、喉の奥がヒリヒリと痛むように。その後も気になる異変が加速していきました。 |
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(1)倦怠感
(2)くしゃみ・鼻水
(3)喉の痛み
(4)皮膚の赤み
(5)めまい
(6)呼吸困難
(7)全身の腫れ |
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アナフィラキシーショック |
<なぜ、倦怠感からアナフィラキシーショックに?> |
「アナフィラキシーショック」とは、劇症型のアレルギー反応。入ってきた異物に身体が過剰に反応し、あらゆる場所が腫れ上がってしまう恐ろしい病です。最悪の場合、呼吸困難で死に至ることも。その原因の一つが、「花粉」なのです。もともとO・Tさんは、スギ花粉症でした。しかし5月に入り、花粉症は治まっていたはず。実は知らないうちに、彼は別の花粉症になっていたのです。一口に花粉症と言っても、種類は様々。50種類以上あるといわれています。O・Tさんは、スギ花粉症に加え、新たにイネ科の花粉症になっていました。河川敷などに多いカモガヤなど、イネ科の植物はスギ花粉が治まる5月頃から花粉をまき散らします。O・Tさんが訴えた、あの「倦怠感」や「喉の痛み」、「皮膚の赤み」は、そのイネ科の花粉に反応した証。しかし、その症状は、どれも「一時的」なものでした。イネ科の花粉は、遠くに飛ばず、近辺だけに一斉に大量飛散するのが特徴。そのため、その場所を通った時だけ、症状が出たのです。それにしても、なぜ単なる花粉症がO・Tさんのような最悪の事態を招いてしまったのでしょうか?実はアナフィラキシーショックは、花粉を吸っただけでは起きません。彼の場合は、不幸にも様々な要因が重なったのです。その一つが、食べたパン。実はパンに使われている小麦も、イネ科の植物。そのためイネ科の花粉アレルギーを持っていると、食べたパンにも反応しやすいのです。でも彼の小麦アレルギーは軽く、普段は特に症状は出ませんでした。しかし、この日はパンを食べた上に、さらに決定的なことをしてしまったのです。それが良かれと思って始めた、ジョギング。運動すると、呼吸が激しくなり、吸い込む花粉の量も増えます。さらに激しい運動をすることで、アレルギー反応が激化する事がわかっています。大量のイネ科の花粉、小麦の摂取、運動、この3つが重なると、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性が非常に高まるのです。O・Tさんも、まさにこの魔のスパイラルで、激しいアレルギー反応を起こし血圧が低下。神経異常をきたし「呼吸困難」、そして体中が真っ赤に腫れあがってしまったのです。幸い、すぐに病院に運ばれ、一命をとりとめたO・Tさん。しかしそれ以来、お気に入りの河川敷も、イネ科の花粉が飛ぶ季節は、立ち入り禁止となってしまいました。スギ花粉症の人は、その他の花粉アレルギーを始め、様々なアレルギーを引き起こす可能性が高いので、くれぐれもご注意を。 |