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『驚愕の新事実!腰痛の本当の原因』 |
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T・Mさん(女性)/60歳 |
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主婦 |
山形県に住む主婦T・Mさんが腰痛を感じ始めたのは、今から20年前。念願のマイホームを購入し、ローン返済の足しになればとスーパーでパートを始めた頃、前屈みで仕事をしていると、時々腰がじわじわ痛むようになりました。それから10年後、50歳を過ぎた頃には、腰痛は前にも増してひどく慢性的なものになり、その3年後に子宮筋腫の手術をして以来、症状はひどくなるばかりでした。 |
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(1)腰がじわじわ痛む
(2)慢性的な腰痛に
(3)腰から右足に鋭い痛み |
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非特異的腰痛(ひとくいてきようつう) |
<なぜ、T・Mさんは非特異的腰痛に?> |
「非特異的腰痛」とは、腰を検査しても、肉体的には原因が特定出来ない腰痛のこと。病院を訪れる腰痛患者全体の、実に85%がこの腰痛であるといわれています。この非特異的腰痛の原因は、長年まさに謎のままでした。
そもそも腰痛は、過度な運動や仕事による負荷、さらに加齢、喫煙などの要因が複雑に絡んで起きるもの。しかし近年、研究が世界中で進み、驚くべき事実が明らかになったのです。その一つ、大きな原因こそ「ストレス」。これまで原因不明と言われてきた腰痛の多くに、精神的な問題が深く関わっていることが分かってきたのです。
では、なぜストレスが腰痛の原因となるのでしょうか?そもそも、腰など体の一部に何らかの異常が起きると、それが神経を通じ脳に伝わり、異常が起きたことを痛みとして認識するのです。このメカニズムを支えているのが、脳の中で情報をやり取りする神経伝達物質。ところが、ストレスを感じ続けると、この神経伝達物質の分泌に異常が生じ、体と脳の間で情報が正確に伝わらなくなるのです。その結果、脳が誤作動を起こし、通常なら痛みを感じない小さな腰の異変を、強い痛みとして感じてしまうというのです。T・Mさんの場合もまさにこのケースでした。
では、彼女の場合、どんなストレスが腰痛を引き起こしていたのでしょうか?彼女が腰痛を覚えるようになったのは、40歳の頃。家事、パートという忙しさの中で終始ストレスを感じていました。しかし、まだこの段階では、ストレスは軽く、脳の誤作動も少なかったため、腰痛の程度は軽いものでした。ところが50歳を過ぎると、前にも増して忙しい毎日となり、次第にストレスが増大、腰痛を慢性化させていったと考えられます。そんな彼女の腰痛に劇的な変化を与えたのが、子宮筋腫の手術でした。手術は心理的にも、肉体的にも極めて、大きなストレスとなります。そのため、ついに彼女の脳はストレスに耐えきれず暴走。痛みを過剰に感じてしまい、家事や仕事ができないほどの状態になってしまいました。
この病が何より恐ろしいのは、痛みを気にするあまり自分でストレスを増幅してしまう、つまり腰痛が腰痛を呼ぶ、「魔の腰痛スパイラル」に陥ってしまうこと。むろん誰もがこのスパイラルに陥る訳ではありません。そこには、真面目、几帳面、頑張り屋、まさに彼女のような性格が、大きく関わっていると言われているのです。
入院後、彼女には腰の異常が脳に伝わりにくくなる神経のブロック注射が施されました。そして医師からは、腰痛改善のために、何か趣味を持つとか、夢中になれることを見つけて、ストレスを減らすようにアドバイスをされたのです。
その後、意外なことがきっかけで彼女の腰痛に変化が見られるようになります。それは犬を飼うことでした。すると半年後には、なんと腰の痛みはほとんど消えてしまい、再び家事が出来るまでに回復したのです。そう、ペットを飼うことでストレスが軽減。その結果、脳が再び機能を回復し、痛みを過剰に感じなくなったのです。 |