朝。真夏の日差しが差し込む公園のベンチで、胸にナイフが突き立てられた遺体が発見された。被害者は有名ロックバンドのボーカルで、処女小説が文学賞を受賞し話題となっていた篠島タク(吉川純広)だった。
捜査会議では、有名人が殺害された事件とあり、鶴崎管理官が色めき立つ。生前、篠島が受賞した小説の評判はひどいもので、「受賞は出来レースだった」という噂が巻き起こり、書評家のみならず一般人からもかなりのバッシングを受けていたのだという。被害者の人間関係に注目が集まる中、警視庁検挙率ナンバーワンの犬養隼人(沢村一樹)は、刺殺されながら、遺体からほとんど血が流れていなかったことに違和感を抱いていた。
捜査員たちが慌ただしく捜査を始める中、一人の男が「俺が殺した」と捜査本部が置かれた所轄へと自首してきた。小説家を自称する嵐馬シュウト(遠藤雄弥)は、出来レースで文学賞を受賞した篠島への恨みから殺害に及んだと自供する。しかし、取り調べに当たった犬養と古手川和也(瀬戸康史)は、その稚拙な発言を信用しようとしない。
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一方、犬養には別れた妻との間にひとり娘・沙耶香(桜田ひより)がいた。沙耶香は重い腎臓病を患っていたが、3ヶ月前に受けた移植手術が成功し、現在は退院。たまたま通い始めたスポーツジムで人気アイドル志倉楓と知り合っていた。長い入院生活で友達の少なかった沙耶香は、楓と仲を深めていく中で、楓が殺害された篠島と同じ芸能プロダクションに所属していることを知る。
犬養と古手川は、殺害された篠島の妻、そして篠島が所属していた芸能プロダクション社長・高森英雄(加藤雅也)、さらには出来レースの疑念が起こっている文学賞を主催している出版社のビブレ社へと聞き込み捜査を続けていた。
そんななか、関東中央テレビに「志倉楓を誘拐した」という犯行声明が届く。中にはガムテープで縛られた楓の写真と携帯電話が!犯人は、全国放送されるニュース番組を通じて人質交渉を行うと要求。その交渉相手に犬養を指名する。果たして、犯人の真の思惑とは?
そして、犯人の糸口さえ見つけられない中、
犬養父娘に危機が迫る!