今回の舞台は、大阪府岸和田市。岸和田といえばだんじりということで、オープニングはだんじり会館で山車をバックに法被姿で登場。「着たら着たで気持ちはハッピー!」と、ダジャレ好きの一面が垣間見られたところから番組はスタート。
岸和田は初めてだという速水。今回の依頼者は、水なす農家の麻生川さん。早速依頼者の元へ。レシピのヒントを探すため、水なすを収穫させていただく。水なすはデリケートで傷つきやすいので、枝葉にも接触させないようにしなければならず、管理が難しいという。ひとつもぎ取ってみる。「ずっしりしていて、艶がすごい」。さらに、もぎたてをしぼってみるとボタボタと水がしたたり落ちる。水なすは他のナスより10%ちかく水分が多いという。割いて食べてみる。「まるで果実のよう。いい甘み!」
割いて厚みがある方が水なす本来の瑞々しさを感じられると、レシピのヒントを得たようだ。さらに、依頼者のお母さんお手製の水なすのクリームコロッケをいただく。中には、刻んだ水なすが。水なすのうまみで、ソースはいらない。「刻んでこんな食べ方があったなんて新しい発見が出来た」と感動の様子だった。
元々はミカン農家だった依頼者。30年前に岸和田の特産である水なすに移行したのだとか。自然災害などで大変な時期もあったが、「辞めたら終わりなので、このまま娘に受け継いでもらえたらうれしい」と、熱い思いを語ってくれたお母さん。さらに依頼者から「簡単に作れて楽しめるレシピを作ってほしい」とツヤツヤの水なすを託され、速水もテンションMAXだ。
続いて、買い出しのため道の駅へ。水なすのジューシーさの邪魔にならないようシンプルに仕上げるため、地元産のレモン、食用花、青ネギを購入した。
今回は急遽2品作るという。「それではみなさん、お付き合いの方お願い致します!」と決め台詞で調理スタート!
泉州水なすのカルパッチョ
水なすのバター醤油炒め
依頼人に試食してもらう。料理を目の前に「色鮮やかに盛り付けていて、こういう発想はなかった。美味しい!レモンと合う!」と大喜びだ。お母さんも「今夜の夕飯に一品!」と、新しい洋風にアレンジされた水なすレシピは両若男女問わず、口に合うようだ。速水も、水なすのフレッシュ感を味わえるのはこれがベストかなと、水なすの瑞々しさを最大限に生かしたレシピの完成に満足そうだった。そして、最後に水なすのバター醤油炒め。こちらも炒めるとはいえ、ジューシーさを損なわないよう軽く火を通しただけなので、水なす本来のおいしさが際立ち、依頼者からも「美味しいー。」と笑みがこぼれた。
今回、速水が見た目にもこだわったのには理由があった。依頼者のお母さんの趣味である油絵だ。お母さんが描いた水なすの油絵を見て、そこから今回のアートっぽい料理を思いついたというのだ。生産者さんに寄り添うレシピ作りが速水流なのだ。「喜んでもらえてよかった。」と速水からも安堵の笑みがこぼれた。