今回の舞台は京都府亀岡市。今回は、「頂!キッチン」初!自治体からの依頼だ。亀岡市は農業が非常に盛んで「京都の台所」と呼ばれるほど、府内最大の農地が広がる。そんな自然豊かな亀岡市からの依頼は「亀岡牛」を使った新しいレシピだ。普段は焼肉やすき焼きで食べることが多いという亀岡牛だが、街を盛り上げる面白いレシピを作ってほしいとのこと。
まずは、生産者の方から情報収集。なんとこの日は年に6回しかしないという牛の爪切りの日だった。牛は爪で立っているので、ちゃんとケアしないと大きくならずいい肉質にならないという。また、亀岡牛は他の牛よりもしっかり長く飼っているのでとろけるようなくどくない質の良い脂が特徴だ。さらに、夏と冬で気温差が35度以上ある亀岡市の厳しい環境も、身が引き締まり脂の旨味が増す要因となっているのだ。現在、市内でも亀岡牛を飼育しているのは6戸の生産農家のみなので、かなり希少価値のあるブランド黒毛和牛となっている。
続いて、亀岡牛を扱う精肉店が入る道の駅へ。精肉店につくと早速、亀岡牛ももの塊を見せてほしいと言い、100g1000円の塊を見てテンションが上がったのか「1㎏、いっとこう!」と大迫力の丸ごと購入。さらに、キッチンの奥で揚げ物をしている店員さんを見つけ、亀岡牛コロッケをいただくことに。箱を開けた瞬間コロッケのいい香りが立ち込め、興奮気味に食べ始めるも「熱っ・・・ちょっと熱かった。」と、悶絶。オチャメだ。「品のある牛の香り。鼻に抜ける感じがいい」とやはり亀岡牛は熱を通しても香り高く、くどくないすっきりした味わいであることを再認識した。
さて、今回はどんなレシピになるのか。「薄切りだけど厚みのある感じ。シンプルにお米と合わせて調理する」という。レシピは固まったようだ。「やっている人あまりいない。レシピ本に載せてる人もいない。ぜひ見てほしい」とかなりの自信がにじみ出ている。道の駅で九条ネギも購入し、「シンプル!豪快!男っぽい料理!お付き合いの方、お願いいたします!」と決め台詞で調理スタート。
亀岡牛の土鍋ご飯
今回は、調理工程が少ないため待ち時間が長かったようで、その間なんとウグイスが鳴き始めた。「この香りが森の方まで行っているのかな?」と香り高く仕上がっているようだ。
依頼人・生産者の方に食べていただく。土鍋を開けた瞬間「わー!めっちゃいい匂いー!」とお二人とも嬉しそうだ。「もも肉で脂がしつこくなく、めちゃめちゃご飯と合う。火を通しすぎてないから柔らかい!」と生産者の方も自ら育てた亀岡牛の調理に大満足のようだ。依頼人も「(土鍋なので)お肉のおいしさが凝縮されていて、何も逃げずに調理されている。町おこしのイベントで使いたい」と箸も進んでいた。
最後に「たまには自分じゃなくて、誰かに作ってもらいたい。楽させてもらえませんか?」とジョークを飛ばし、みんなを和ませてくれるやさしさも速水流。