今回、速水がキッチンカーで向かうのは茨城県・大子町(だいごまち)。依頼者は奥久慈しゃもの生産者・高安さんご夫妻だ。まずは『奥久慈しゃも生産組合直売所』を訪れる。奥久慈しゃもは日本三大地鶏のひとつとしても知られ味の品評会で1位を獲得したこともある地鶏のトップブランドだ。一般的な鶏の3倍ほどの時間をかけて丁寧に育てられ、深いコクと強い旨味が特徴とされている。
速水はさっそく高安さんに奥久慈しゃもをさっと炒めてもらい試食してみることに。「ムネ肉はさっぱりしているけど、すごい旨みが乗っかってきますね。モモ肉は弾力があってイヤ味のない甘みで美味しい!」とじっくりと味わっていく。さらに、高安さんから「脂の少ないオスは焼き料理、脂が乗ったメスは鍋や煮込み料理に適しています」と教えてもらうと、速水は「いいことを聞きました」とレシピのアイデアを膨らませていく。「部位によって旨みが違うのも鶏肉の面白いところ。奥久慈しゃもは力強くて濃厚でコクもしっかりあるので、いろんな部位を使った温まる料理にしたいですね」と目を輝かせる。
続いて買い出しのために『道の駅 奥久慈だいご』へとキッチンカーで向かった速水。旬の地産食材が豊富に並び、「大根は葉がついているものが好きなんです」、「ミニキャロットは料理が映えるサイズ感ですよね」と、奥久慈しゃもに合わせる新鮮食材を選んでいく。
「今日のしゃも料理もカンペキですよ!」と道の駅を後にした速水は、「実は気になる場所を見つけたんです」と、調理前に器専門店『器而庵』へ。キッチンカーでの移動中に漆と書かれた大きな“のぼり”を見かけて気になっていたのだという。実は大子町は全国2位を誇る漆の名産地。漆器職人の辻さんがこの地で12年前に開業した漆器専門店を訪ねることに。速水は店内に並ぶ美しい漆器の数々に目を奪われながら「漆器は日本人に馴染みもありますし、こうして改めて見ると注目したくなりますね」と、しゃも料理に合う漆器も見つけたようだ。
今回の調理場は『上小川レジャーペンション』。雄大な山々を見渡す河原で、奥久慈しゃもを贅沢に調理する!「メニューは奥久慈しゃものクリームシチュー。…ですが、ただのクリームシチューではありません。ひと味もふた味も違うシチューにしたいと思います」と4品の速水流オリジナルレシピが完成したよう。「それではみなさん、お付き合いのほう、お願いします!」と手際よく奥久慈しゃもをさばいていく!
しゃものクリームシチュー
しゃものから揚げ
しゃも大根
しゃもの親子丼
奥久慈しゃものいろいろな部位を使い、旨みを引き出した深い色合いの贅沢シチューが完成。依頼者の高安さんご夫妻は、「生産している立場からすると、いろいろな部位を使ってもらえるのは本当に嬉しいですね」と速水オリジナルのシチューを味わう。すると「すごくコクがあって、美味しい!」と喜びも味わいもひとしおの様子だ。さらに、『しゃも大根』、『しゃもの唐揚げ』、『しゃもの親子丼』と、ひと工夫を加えた手軽に作れるメニューも!奥様は「こんなに美味しいしゃも料理に囲まれて本当に幸せです。今度、真似して作ります!」と大喜びだった。
さらに、『器而庵』で見つけた漆器に盛り付けた料理も登場。「漆器を使うことで、また料理の印象も変わりますね」と、目にも美味しい大子町の魅力が詰まった料理の数々となった今回。速水は「力強く濃厚な味わいの奥久慈しゃもは魅力的な食材でした。この美味しさをぜひたくさんの方々に知っていただけたら」と、その味わいに惚れ込んだようだった。