豊中市立豊島西小学校
2024年12月2日
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生徒 66名/先生 2名
今年もあと1ヶ月を切った12月最初の月曜日、穏やかな日差しの中、朝から豊中市立豊島西小学校に出前授業に行ってきました。
受講頂いたのは5年生の皆さん。申し込み頂いた先生から「情報社会に生きる私たち」という社会の授業の一環として、メディアで働いている私たちにぜひお願いしたいとのことで、今回はコンプライアンスのスペシャリスト2人も一緒です。
まずは自己紹介。これまで私が携わった仕事を紹介し、放送局の内部がわかる「社内見学」ビデオを上映。私たちの番組をどれくらいの人たちが見ているのかを知ってもらい、災害時でも放送が続けられるよう日頃から備えていることや放送局の役割を伝え、なぜそのような役割を担う必要があるのかも説明。また各地の放送局は、ニュースのネットワークで結ばれていることを知ってもらい、今年元旦に発生した能登半島地震の時は、地元の放送局だけではマンパワーが足りず、近隣の系列局や私たちも応援にかけ付けたことをお伝えしました。
そして、総勢80名以上のスタッフが携わっている朝の情報番組『「おはよう朝日です」ができるまで』のビデオも上映。テレビ画面に映っていないところで、どんな仕事があるのか学んでもらいました。
後半は、放送局が番組を制作・放送するには、社会のルールを守ることが求められていることを学んでもらおうと「コンプライアンスって?」の授業です。
“コンプライアンス”と聞くと難しく考えがちですが・・・難しい話は一切なし!国民的アニメを題材にいくつか事例を紹介。社会のルールに合わせて番組の台本や演出を修正しなくてはいけない事や、時代とともに変化する多様性についても「決めつけないこと」「ひとりひとりが“ありたい姿”でいること」の大切さを学んでもらいました。
ネットには情報が溢れ、利用時間が増えた今、ネットを正しく使う“力”を養うには、SNSの情報は信じ込まない!それってフェイクニュースかも!?と伝えた上で、放送局でも騙された事例を紹介。ネットリテラシーを高めるには、「たとえネットに広がっていても友だちが言っていても間違った情報は広めないよう真偽を見極めよう」と伝え、そのためには「発信元を探る」「ほかのメディアも調べる」「文章の表現に注目する」などアドバイス。私たちが情報を発信する際は何度も何度も事実確認していることを知ってもらいました。
私たち放送局はネットとは異なり、国民の共有の財産である“電波”を使用している免許事業だからこそ「みんなの手本」になる必要があり、言葉で人を傷つけない!相手の気持ちを考えて言葉にして欲しい!とメッセージをおくりました。
そして「情報リテラシー」への理解を深めてもらうため「ここがへんだよ!?コンプラクイズ」を出題。放送後に視聴者から指摘のあった事例をはじめ、番組出演者の不適切発言についても考えてもらいました。
また能登半島地震の際にSNSで拡散された“ニセ情報”について答えてもらい、さらにAIが作成した画像のどこがおかしいか!?を探してもらうと「〇〇がおかしい!」と元気いっぱいに答えてくれた生徒の皆さん。的確な回答に私たちもびっくり!特に事件や事故、災害時には“ニセ情報”が拡散されやすいので「SNSの画像が本当かどうかは、専門家でないとわからない!情報を鵜呑みにせず、リポストなどで拡散することはやめよう!」と訴えました。
そして時間の許す限り質問にお応えしました。
この夏に日本を襲った台風の時に拡散されたニセ情報の新聞記事も紹介。最後は「趣味や勉強など、何か調べる時にネットを利用することもあると思う。でも、得た情報に悩んだら学校の先生や両親、友だちに相談してほしい!」とメッセージをおくり授業は終了。給食前、校内には美味しそうな香りが立ち込めていました。