授業風景

申し込む

和歌山大学教育学部附属小学校

2012年9月24日

授業風景20

クラス全員で情報番組を作ってみよう

授業対象5年A組(29名)

和歌山城を目の前に、絶好のロケーションを誇る和歌山大学教育学部附属小学校。今回の出前授業は子どもたちの手による「情報番組」作りです。出演者はもちろん、カメラマンやミキサー、フロアディレクターなど何から何まで児童たちに担当してもらおうという企画です。しかもBG音楽や効果音、字幕スーパーも現場で付け、さらに生中継まで盛り込むなど実際の「情報番組」とほぼ同じレベルを目指しました。我々「ABChan教室」のスタッフにとっても初めての試みです。番組タイトルは5年A組をもじって「レッツ5〜(ゴー)!!A〜(エー) 和歌山」(児童がネーミングしました)、約20分の“生番組”です。さてどうなる事やら・・・。

今回は特別に出前授業とは別の日にも授業をしました。その事前授業ではまず「おはよう朝日です」を支える技術陣の仕事を紹介したVTRで、番組をウラで支える人がいかに多いか、さらにいかにたくさんの仕事があるかを学びました。さらに放送したらやりなおすことができない「生放送」の番組の特徴も学習しました。そして担当の種類別にグループに分かれ、それぞれどういうことをするのか台本を見ながら予習しました。

「レッツ5〜!!A〜和歌山」では、赤ちゃんパンダ誕生のニュース・スペシャルゲスト中継・テレビアニメクイズ・マジック漫才ショーに和歌山の食べ物ランキングと様々なコーナーで構成しました。どんな内容にするかはクラスのみんなで考えたり調べてくれました。割り当てられた時間内でおさまるように何回も練習したそうです。担任の宇田智津先生には、1ヶ月にわたってまとめ役としてクラス全員を引っ張っていただきました。

さて、児童たちがどのような仕事をしたかを紹介します。

出演者
・メインの進行役となる司会者。2名
・ニュースの原稿を読むアナウンサー。2名
・中継先でゲストのインタビューを担当するリポーター。2名
・テレビアニメクイズの出題者。1名
・マジック漫才ショーの実演。3名
・和歌山食べ物ランキングの発表。2名

制作スタッフ
・フロアディレクター・・・出演者にしゃべりだしなどの指示などをする係。3名
・カメラ・・・これはどういったものか想像つきますね。今回はスタジオに2台、中継先に1台のカメラを用意しました。カメラマンは5名で交代します。
・スイッチャー・・・カメラやVTRなどの映像を切り替える係。番組進行のなかでは大事な技術の仕事です。2名
・ミキサー・・・マイクの音や効果音、VTRの音などを切り替えたり混ぜたりして聞きやすい音に調整する係。2名
・SE・・・映像や内容に合わせて効果音を入れる係。2名
・VTRと写真・・・コーナー内で使うVTRの再生や写真などの画像を切り替える係。1名
・テロップ・・・出演者の名前などの字幕スーパーを出す係。1名
・マイクマン・・・ブームマイクというものを持って出演者にマイクを向ける係、マイクがカメラに写らないようにすることが必要。1名
合計29名、クラスの児童全員で役割り分担しました。

写真出前授業本番の日、次々と教室に放送機材が運びこまれて組みあがっていきます。またたく間に放送局のスタジオみたいに様変わりしました。

授業がはじまりさっそくリハーサルです。出演者たちは台本に書いてあるセリフを完璧に覚え、すっかり自分の言葉にしています。一生懸命練習したのが良く分かりました。
コーナーごとに出演者の立ち位置やカメラチェック、テロップや効果音を出すタイミングなど入念に確認作業を行いました。

写真いよいよ本番です、本番はノンストップで進行します。教室に緊張が走りました。児童たちは「絶対に成功するんだ」と気合がみなぎっています。オープニングタイトルの映像と音楽が流れてから司会者が映し出されます。スイッチャーがコーナーごとにカメラの映像を切り替えます。字幕スーパーも効果音も決まり、出演者の声も聞きやすくしっかり調整されています。そして大きなミスも無く番組が終了。保護者席から大きな拍手が送られました。児童たちがここまで完璧に仕上げるとはこちらの想像をはるかに超えていました。本番の後、収録したVTRを全員で鑑賞。宇田先生が感激の余り、目をうるうるさせていたのが印象的でした。

写真クラス全員のチームプレーで、一つの作品を完成させた児童たちの満足そうな顔を見ていて、子ども達がますますテレビのことを好きになってくれればいいなぁと思いました。


みんなの感想
〜先生、児童、保護者から感想をいただきました〜
宇田先生から
  • 「今までテレビを何気なく見ていた子ども達が、裏方さんの苦労や仕事を知ることでテレビ番組作りについて知ることができました。そして、何よりもみんなが協力して1つになって取り組む大切さを感じてくれたことがよかったと思います。」
児童たちから
  • 「SEの仕事をしたけれど、やっぱりタイミングが難しくて、時々ずれてしまった。でも、すごく楽しかった。いろんな音を出してその場を盛り上げることができた。私はこの役になれて本当によかったと思った。裏方と出演者で協力して、1つの番組を作るということは、このことなんだなと思った。」
  • 「テロップはタイミングがかんじんな仕事で、3秒おくれたらやばい仕事でした。できあがった番組を見て。テロップの表示のタイミングがよかったのでほっとしました。」
  • 「インタビューを担当しました。私は気が小さいので、このままではだめだから何かバン!とでれる役をしたいと思ってインタビューにしました。テレビは「笑顔」が一番大切なんじゃないかと私は思いました。こっちが笑顔だとみている方も笑顔になる。だから、普段からも私は笑顔を大切にしていきたいと思いました。」
見学に来ていた保護者の方々から
  • 「大人もなかなか目にすることができないので実際に見せていただけたことが貴重な経験でした。」
みんなの感想