授業風景

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大阪市立大道南小学校

2012年11月15日

授業風景23

いつでも訓練、アナウンサー

授業対象6年生(74名)

放送局の仕事の中で、子どもたちが真っ先に思い浮かべるのが「アナウンサー」ではないでしょうか。この日の講師はスポーツ担当で入社12年目の山下剛アナと今年1年目の斎藤 真美アナです。目の前に立つ2人のアナウンサーに児童たちの興味津々といった空気がつたわります。

「“初鳴き”までの道のり」

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新人アナがデビューして初めて電波に声が乗ることを放送業界の用語で“初鳴き”と言います。
斎藤アナが入社してから7月にラジオのニュースで“初鳴き”するまでの様子を収録したビデオを見てもらいました。どんなアナウンサーでも入社していきなり番組に出演したり、ニュース原稿を読んだりなんてすることはありません。初鳴きまでの3ヶ月間、先輩アナウンサーたちから連日特訓を受けます。アナウンサーは早口言葉のトレーニングをしている、といったような話を皆さんも聞くことはあると思いますが、それだけではありません。
アクセントのつけ方で言葉の意味が全く違ってくることや、しゃべっているときの姿勢なども注意指導を受けます。それにニュースを読むとき本人が内容を理解していないと、聞いている人に正確に伝わりません。そのため社会の動きを知っておく必要があることなどアナウンサーとしての心構えを教えられます。


新人アナウンサーが練習をする内容は、教室で発言するときや音読をするときにも役立ちます。
児童たちにも一息でどれだけ声が長続きするかや、早口言葉にトライしてもらいました。「かえる ぴょこぴょこ 三(み)ぴょこぴょこ あわせてぴょこぴょこ 六(む)ぴょこぴょこ」「ねぇ、ぬぐのぬがないの? みんなぬぐのになによ」などです。
先輩の山下アナからは「早口言葉は早く読むのではなく、はっきりと分かりやすく読むことが大切なんだよ」とのアドバイスがありました。全員で練習してから何人かが前に出てきてみんなの前で早口言葉を披露しました。
「私が特訓を始めた頃よりずっと上手です」と斎藤アナも舌を巻いていました。

「腕相撲実況に大興奮」

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2時間目は、スポーツ担当の山下アナの仕事の紹介です。
ABCでは、プロ野球や甲子園で行われる夏の全国高校野球の中継、それ以外にもゴルフや競馬中継などいろいろなスポーツ番組をラジオやテレビで放送しています。スポーツ担当アナは野球シーズンの期間中は全国を駆け巡っています。
スポーツ中継の実況には原稿がありませんが、目の前で起こっていることを分かりやすく、しかも間違いなく言葉で伝えるのがスポーツアナの仕事です。それがいかに難しいかを分かってもらうために、児童たちに腕相撲をしてもらいその様子を実況することに挑戦します。
対戦する2人の子どもたちが前に出てくると、すかさず山下アナは2人から取材します。これはスポーツアナが実況を担当するときに心がけていることです。テレビやラジオを視聴してくれている人たちに楽しんでもらうためにいろいろな情報を集めます。腕相撲が始まると同時に山下アナは二人の情報を盛り込みながら実況します、実況が加わる事によって、動きの少ない腕相撲が土俵の上でたたかっているように白熱してきました。


今回の授業にはアナウンサー2人以外にABCのカメラマンが飛び入り参加しました。彼は大道南小学校の卒業生だったので出前授業をのぞきに来たのです。子どもたちは授業が終わったあと、テレビの世界で働く大先輩を質問攻めにしていました。


みんなの感想
児童のみなさんから感想をいただきました。一部をご紹介します。
  • 「うまくなるためには、ひたすら練習すること、わかりやすく伝えるには大きな声でしゃべることなどいっぱい学べました。」
  • 「“初鳴き”までに何回も何回も練習する大変さがよくわかりました。」
  • 「スポーツ実況も大きな声、選手達への取材などいろいろがんばってるから分かりやすく状況を伝えることができ、もりあげることができる、ということを知りました。」
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