授業風景

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宝塚市立逆瀬台小学校

2013年6月25日

授業風景35

ドキュメンタリーで大切なことって?

授業対象5年生2クラス(43名)

阪急・逆瀬川駅から車でぐんぐん坂道を上り、到着したのは宝塚市立逆瀬台小学校。眺めのよい高台に建つ、緑あふれる佇まいに癒されます。プールの授業を終えたばかりの5年生の子どもたちが、笑顔であいさつしてくれました。


「ドキュメンタリーってどんなもの?」

写真今回のテーマは「ドキュメンタリーについて」。ゲスト講師は報道局ニュース情報センターの西村美智子ディレクターです。
まずは皆さんに西村ディレクターの作品を見てもらいました。2008年に放送された企画「家族のすがた 難病と闘う少女 よさこい踊りに託す希望」です。VTRは約15分と長いものでしたが、皆食い入るように画面を見つめ、上映が終わった直後は病気を抱えながらも一生懸命に踊る少女の姿に言葉を失っていました。ドキュメンタリーは一般的なニュースと比べ、一つのテーマに絞り、長い時間をかけじっくりと取材をして作るものということをまず掴んでもらいました。

「テーマを決めてインタビューする」

写真ドキュメンタリーの取材現場では、ディレクターが小型のビデオカメラを使って自ら撮影しながらインタビューを行うことがよくあります。それは相手が本音を話しやすくするため。ところが、実際に代表の子どもに小型ビデオカメラを持ってもらいクラスメートにインタビューしてもらうと、普段は仲良く話している友達でもカメラを前にすると尋ねる方も答える方も緊張してうまく話せません。その難しいインタビューをドキュメンタリーのディレクターは繰り返していくのです。繰り返していくうちに心を通わせ、本当の気持ちを聞き出すのです。

写真次に、実際に児童のみんなで2人ずつペアになりインタビューをする側、される側を体験してもらうことに。ここで講師からみんなへ、インタビューのお題が発表されました。お題:「クラスの誰もが知らない、取材相手の『ヒミツ』『とっておきのこと』を聞き出してみよう!」です。
オトナでも、とても難しいミッションです。皆さんはビデオカメラは使いませんが、3分間かけてあれこれ聞き出していきます。最初は何をどう尋ねてよいか戸惑っていた児童も、最後にはたくさん情報を集めようと頑張っていました。結果発表はユニークなものが多く、思わず感心する発表もありました。写真「○○さんは実はカミナリが嫌いだそうです。その理由は、落ちたら感電しそうになるからです。」と、嫌いな理由まできっちり聞き出してくれました。講師は「インタビューはひとつの質問だけで終わるものではなく、次から次に繋がっていくもの。ひとつの答えに対して、なぜそう思うのか理由を聞き出せた点がすごい!」と褒めていました。

おまけとして、ディレクターから子どもたちへのサプライズもありました。実は事前に西村ディレクターが担任の先生の「とっておき」情報を子どもたちにはナイショでインタビュー取材していたのです。事前に撮影された先生の顔が画面に映し出されると、教室はこの日一番の大盛り上がりに!先生方、ご協力ありがとうございました。

「インタビュー体験を通して伝えたかったこと」

最後に、西村ディレクターから子どもたちへメッセージです。「冒頭に見たドキュメンタリーで、難病と闘う少女から発せられる言葉によって勇気づけられたり、『私もがんばろう!』という気持ちになる人がいる。ドキュメンタリーはそんな言葉を紡ぐインタビューの積み重ねで出来ている。皆さんも今日のインタビュー実習を通じて、人に話を聞いたり、自分の思いを伝えるのがとても難しいということが分かったはず。コツは、ひとつのことを聞いたらそれについてお家の人や周りのお友達とこれからもっと色々なことを話していくことです。
児童の皆さんは、実はこの出前授業の少し前に、国語の授業で「インタビュー」というものを実際に学習していたそうです。ぜひ今日の出前授業で学んだこともあわせて、これからの生活に生かしていってくださいね。
宝塚市立逆瀬台小学校の皆さん、ありがとうございました。