授業風景

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芦屋市立朝日ヶ丘小学校

2014年9月11日

授業風景55

気象予報士 清水とおるさんに学ぼう!

授業対象5年生2クラス78名

今回伺ったのは兵庫県芦屋市の六甲山中腹に位置する芦屋市立朝日ヶ丘小学校。
到着と同時に給食室から美味しそうな香りが漂ってきます。
その日の献立は豚肉のスタミナ焼き、かぼちゃの味噌汁、もやしのごま和えと雑穀ごはん。
サッカーワールドカップの時には、敏腕調理師さん達によってコートジボワール料理やコロンビア料理など世界各国の献立も用意されたそうで、最近の給食はそこまで進化しているのかと私たちは驚きました。


災害から身を守る!

写真 今年の8月、西日本では一日の最高気温が35度を超える日、いわゆる猛暑日が一度もなく、一言でいうと、まさに「異常気象」でした。大阪市では実に21年ぶりの事だそうです。これは逆に言えば雨の日が多かったということ。8月20日に広島市北部で発生した集中豪雨による土砂災害を伝えるニュース映像には誰もが驚きそして恐怖を覚えました。
清水さんは、授業の中でこの大災害が起こった原因は大きく2つあるということと、そんな大災害から身を守る術を教えてくれました。
まず原因として考えられるうちの一つは「バックビルディング現象」。通常の積乱雲は極めて狭い範囲に1時間当たり20ミリ程度の雨を降らせ。やがて消滅しますが、バックビルディング現象では次々と積乱雲が発生し、1時間に100ミリ前後の猛烈な雨を比較的広範囲に降らせ続けます。今降っている大雨が、バックビルディング現象によるものかどうかは、雷が30分以上続き、大雨が1時間以上続くかどうかが目安となり、その場合避難を視野にいれなければならないそうです。因みに、私たちが出前授業をおこなったまさに9月11日の明け方も北摂地方でバックビルディング現象による集中豪雨がありました。そのため、清水とおるさんは、出前授業が終わるやいなや朝日放送に戻り、16時57分からの「キャスト」の放送の中でも集中豪雨の発生理由について私たちが出前授業で聞いたことと同じ解説をされました。
2つ目の原因は「土壌のもろさ」。土砂災害があった広島市北部を形成する土壌は、風化したもろい花崗(かこう)岩でできた「まさ土」です。これは、水を通しやすい土で、大量の雨が降った場合には下に水がたまり、一気に土砂を押し流すという性質があるそうです。
写真そしてこの次にプロジェクターに映しだされたのは芦屋市の土砂災害に関する「ハザードマップ」。これは国土交通省が自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したものです。それを見ると芦屋市立朝日ヶ丘小学校の校区の中には土砂災害警戒区域が多く、土砂災害が起こりやすい土壌、つまり広島市北部と大変にているとの事でした。実際に、昭和13年に「阪神大水害」という700名近くの方が亡くなる大災害がこのあたりで起こりました。しかし、清水さんは言います。「(当時は)今ほど情報を発信したり、得たりする技術が発達していなかった。今のように技術が発達していればたくさんの命が助かった」と。さらに児童のみなさんには「家族の人たちと常日頃から避難場所を確認して、災害に備えられるようにして欲しい」とアドバイスをして締めくくりました。

お天気キャスターをしてみよう!

写真 そして、いよいよ皆お待ちかねの天気予報体験です。まずは清水さんがその日の天気予報を手本がわりに実演。そして続いて児童達。テレビの天気予報で実際に用いる近畿地方の天気図のCGの画像を使いながら天気予報にチャレンジします。読み上げる原稿は清水さんに作ってもらいましたが、一番最後に付け加える、天気にちなんだ一言アドバイスは発表する児童にオリジナルのものを考えてもらいます。写真「週末は天気が崩れるので洗濯はお早目に」と「あすはいいお天気なので、お母さんやおばあちゃんは、洗濯をたくさん干せます」といったプロ顔負けのコメントから「暑い日が続くので『お母さんお茶』と甘えないようにしましょう」など独創的なコメントまで実に様々な表現が飛び出し、教室内は大盛り上がり。災害の恐さを学ぶと同時に、とても楽しい出前授業となりました。