―― まずは脚本を読んでのご感想・印象をお聞かせ下さい
登場人物たちの複雑な心情が描かれていて、一回読んだだけでは理解できない部分が多々ありました。深く考えさせられる内容で、表現の仕方がすごく難しくなるだろうなと思いながら、読ませていただきました。
――今回演じている亜紀に対して、どんな印象をお持ちになりましたか?
亜紀の言動を見ると、とても不器用な子なのかなと思います。でも、育ちや周りの環境もあって、実は素直な子なんじゃないかなとも思いました。そんな、ひと言では言い表せない、亜紀の持っている感情や発言の複雑さをどう表現したらいいのか、自分でしっかり作っていかないと、この子が生きてきた人生をうまく表せない、とても難しい役だと思いました。
―― 主人公の陽子に対しても複雑な役ですね
陽子さんに対する態度も、最初はどうしてそうなるのか腑に落ちなかったり、実際のところどうなんだろう?と思ったりしたのですが、亜紀が陽子さんに自分の気持ちを吐露するシーンが追加されて、「ああ、こういうことを思っていたのか」っていうのが伝わってきたので、彼女がそういう思いを抱いているということを考えながら、演じていければと思っています。
―― 撮影現場はいかがですか? 監督や共演者の方の印象は?
とてもいい緊張感の中で撮影しています。松雪さんとは、舞台、連ドラ、単発ドラマと何度もご一緒させていただいていて、大好きな方ですし、沢村さんは初めてご一緒するのですが、テレビで見ていて面白そうな方だなと思っていました(笑)。他のみなさんも一緒にいてすごく居心地がいい方ばかり。内容は重いですが、すごく楽しい現場だと思います。若松監督は、初めてご一緒しますが、とても明るい方で、演出も的確にわかりやすく説明してくださるので、とても勉強になります。
今回は、オールロケで、しかも松本で全部撮るという、ドラマでは珍しいことですが、こういうのすごく好きです! やっぱり東京のスタジオで撮るのとは感覚が違いますね。
―― 湊さんの作品は読まれたことがありますか?
「告白」を拝見しました。言葉ではうまく言い表せませんが、人間の持っている深い部分が描かれていて、自分が知らない感情だったり、環境だったりがたくさんあるんだなと思いました。今回も、自分が知らないことや、普段は気付かない感情がたくさんあるということに改めて気付かされました。
―― 放送を楽しみにしている視聴者のみなさんへのメッセージをお願いします
ミステリーであり、ヒューマンであり、いろんな要素が詰まった内容の濃いドラマだと思います。特に松雪さんとりょうさんが演じている主人公の二人のやりとりは、私自身、脚本を読んでいても、とてもハラハラしました。人間が持っている愛情だけでなく、負の感情や汚い部分も表現されているので、そういう人間の深い部分を観て、感じていただけたら嬉しいです。きっと観た後に、心にどっしりくると思いますよ。