次回の放送
2025年6月14日(土) 午前11時~
伝統工芸「金彩」を令和に受け継ぐ職人親子
上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区
光煌めく繊細なアート作品に、耳元で輝くイヤリング、華やかな色合いのスカーフ。これらはすべて、日本が世界に誇る伝統工芸「金彩」を施したアイテム。「金彩」とは、着物に金や銀の箔を糊で貼り付け、煌びやかに装飾する技法です。唯一無二の美しさで古くから友禅に活用されてきましたが、和服離れとともに、その技法を知らない人が増えています。そんな「金彩」を未来に繋げるために奮闘する親子に密着しました。
京都市北区にある工房『金彩上田』。営むのは金彩職人の上田京子さんと娘の奈津子さんです。友禅の世界では、絵付けと金彩が分業されることが多いのですが。絵を描くのが大好きな奈津子さんが一からデザインし、完成まで一貫して行うのが『金彩上田』流。その親子による、高度な技法を実際に見てみましょう。
京子さんはリペア技術の高さにも定評があります。下書きから絵付け、仕上げに金彩を施して修復は終了。他にも、着物の経年劣化による色褪せや箔の剝がれなど、状況は千差万別。修復には経験と熟練の技を要します。
18歳で京友禅の工房に入り、技術を習得した母・京子さん。職人の母の背中を見て育った奈津子さんでしたが、家業を継ぐ気はなく、ブリティッシュ系のアパレル会社に就職します。しかし、バブル崩壊後、ガクンと仕事が減った京子さんは、「もっと時代に合わせた多様なデザインに金彩を施せるのでは?」。そして「新しいモノづくりができるなら面白そう」と考えた奈津子さんと二人で、工房『金彩上田』を立ち上げたのです。
新しい金彩に挑む奈津子さんには、タッグを組むディレクターがいます。イタリアと日本の素材を組み合わせたファッションブランド「レナクナッタ」の大河内愛加さんです。『金彩上田』とコラボしたイヤリングやシルクのスカーフは、販売すると、たちまち完売する人気商品となっています。なぜ大河内さんは、上田さんとコラボしようと考えたのでしょう。
「少しでも多くの人に金彩を知ってもらいたい!」様々な素材で新作に取り組む奈津子さん。それ以外にも、親子の挑戦はまだまだ続きます。
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2025年5月31日(土) 午前11時~
千早赤阪村のレストラン&ヘアサロン
養安明朗さん・美緒さん、井上拓耶さん 『BUM』 千早赤阪村
杉の木が鬱蒼と生い茂る千早赤阪村の山中。その山道の途中に、忽然と古民家レストランが現れます。不便な場所にも関わらず、連日お客さんが。「何回か道に迷ったけど景色が凄い」。店を立ち上げたのは、大阪市内から移住した若き店主たち。目指しているのは、手間を惜しまない暮らし。今回は都会を離れ、心の豊かさを追い求める店主たちに密着します。
千早赤阪村の山中に2021年にオープンした複合施設『BUM』。築およそ140年という古民家をカフェレストランに改装しました。オーナーの養安明朗さんと妻の美緒さんは、南インドの伝統的な料理を提供しています。カレーをメインにしたコース料理は、どれも本格的なスパイスを使用。地元の野菜もふんだんに使っています。「これはサンバルという豆と野菜のカレーです」。明朗さんたちは、こうした本場の味に出会うため南インドに渡航し、家庭や食堂で伝統料理を学んだそうです。他のメニューもスパイシーで実に美味しそう。
もともと大阪市内の同じ飲食店で働いていた明朗さんと美緒さん。結婚後に間借り営業で始めたスパイスカレー店が評判となりますが、コロナ禍で売り上げが激減。「生きることを見つめなおしたい」と、今の地に移転したのです。それに共鳴したのが、友人の美容師、井上拓耶さん。母屋の横でヘアサロンを開業。「いい働き方が出来てるなあと」と井上さん。
広い空間を利用してギャラリーも併設。定期的に様々な作家の展示会を開催しています。
4月上旬。『BUM』はある転機を迎えていました。3年前からカレー以外の料理を作るために加入していた調理スタッフのななおさんが、6月から海外に行くことが決まり、いったん『BUM』を離れることになったのです。そのため、自分たちだけで作る新メニューを考案することにしました。
新たなメニューに向けて、明朗さんたちは滋賀県長浜市で店で使う器を探します。また、和歌山県橋本市の農園では、旬の野菜を仕入れます。調理方法も見直すことに。「インド料理を少しはずして、自分たちの暮らしに寄り添ったモノを」。次々と新メニューが生まれていきます。そして、お世話になっている農家さんや友人たちを集めて、試食会が始まりました。
果たしてその反応は?
概要 | 大阪市内から移住した今回の主人公、養安明朗さん・美緒さん夫妻が友人と立ち上げた複合施設。母屋のレストランでは本格的な南インド料理を提供している。 |
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住所 | 大阪府 南河内郡千早赤阪村小吹293 |
営業時間 | 食事 11:00~13:00 喫茶 15:00~18:00 ヘアサロン 10:00~18:30 |
定休日 | 木・金曜 ※インスタグラム参照 |
備考 | ランチ3,500円から ※インスタで予約必要 インスタグラム https://www.instagram.com/bum_jp/ |
概要 | 主人公の養安さんが定期的に野菜を仕入れている青果店。農家さんの直営店で毎朝仕入れた新鮮な野菜や果物を販売している。 |
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住所 | 大阪府富田林市佐備842-甲の1 |
電話番号 | 0721-34-6353 |
営業時間 | 10:00~15:00頃 |
定休日 | 水曜 |
概要 | 北海道から移住した陶芸夫婦が営む陶芸工房。BUMで何度か個展を開いていて養安さんはカレープレートの器にここの作品を使用している。 |
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住所 | 滋賀県長浜市木之本町木之本1062 |
電話番号 | 0749-56-1305 |
営業時間 | 10:00~18:00 ※電話にて確認が必要 |
定休日 | 不定休 |
概要 | 今回の主人公、吉田雅之・江美夫妻が出店し新作を販売したたマルシェのイベント会場。少し郊外にある地元で人気のカフェ。 |
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住所 | 和歌山県日高郡日高町池田926-1 |
電話番号 | 0738-52-5233 |
営業時間 | 10:00~日没まで |
定休日 | 火・水・木曜 |
備考 | ホームページ https://shanceshance.shopinfo.jp/ |
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